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NWの七夕2009 織姫・彦星の願いを空に 長編SS部門 作品一覧 テーマ:NW/藩国内の七夕風景 #国民番号順です。 国民番号 PC名 作品 36-00695-01 みぽりん 織姫ちゃんと彦星ちゃん(PC・携帯共通) 45-00736-01 えるむ 満天の星の花(PC・携帯共通)
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ファントムマンチ ガイドラインウォーズ(1) ガイドラインウォーズ(2) ガイドラインウォーズ(3) ガイドラインウォーズ(4) のんべえが女子高生に絡んで来た! 空飛ぶバンチョウ・パイソン オープニング 空飛ぶバンチョウ・パイソン 「ある本の悲劇」 空飛ぶバンチョウ・パイソン ~スパム?~ 格闘ゲーム風番長Gアタッカー紹介 『本戦開始直前!凱道雷の憂鬱』 ファントムマンチ A long time ago in a galaxy far, far away... 遠い昔、遥か彼方のダンゲ界でーー                 エピソード1            ファントム・マンチ 末法の世。 評議会を異変が襲った。 貪欲な万痴連合<マンチ・グループ>は巧みにガイドラインの手薄な箇所を攻撃、着々と同一タイプの能力者<クローン>を量産していた。 評議会が、綱領の一部分が参加者を陥れているという批判により集中砲火を受けて身動きが取れなくなっている間、元老院は別の一手を打つ。 「ガイドラインの使徒」凱道家の姉弟が希望崎に向かうのだった・・・ ガイドラインウォーズ(1) マンチと戦うには自らもマンチの思考に通じなければならない。 周囲に散らばる死骸の側に立ちながら、螺印の脳裏に浮かぶのは記憶だった。 弟よりもかなり早い段階でこの仕事をこなしていた彼女に、当時の師は「これから凱道雷が戦列に加わる」と伝えた。 「血中検査の結果、高濃度のマンチ菌……そして、それを完全に抑え込むほどの莫大な自重力(フォース)が確認された。 これほどの自重力――過去の戦士の中でも三本の指に入るだろう」 ガイドラインを司る者にとっての宿敵、マンチキン。 彼らと渡り合うには自らもマンチに通じ、かつそれに溺れないだけの自重の力が必要となる。 雷はそのどちらにおいても非凡な才を持つ。つまりはそういうことだった。 ――しかし、弟はやや感受性に敏な面があります。はたしてやっていけるかどうか…… 「うむ。感情が昂ぶりやすいということ……それは自重力が負の方へ振りやすいということの顕れでもある」 ――心なき参加者からのリアル精神削り……弟にはそれを受け流すだけのメンタルがまだないでしょう。 「それゆえ、お前が正しい方向に導くのだ。私の感覚が正しければ……彼こそが、流転するガイドラインにバランスをもたらす――」 「終わりましたよ」 「……御苦労様」 物思いから現実へ引き戻される。 片手に凱道の名を示す腕章を巻いた目の前の彼こそが螺印の弟――「選ばれし者」凱道雷。 役目を終えたガイドセーバーはすでにホルスターへと収まっていた。 制圧に時間はかからなかった。そして二人とも傷らしい傷も負っていない。 しかしそれはイコール楽勝という意味にはならない。世界には一撃で致命傷を負わせてくる手合いが無数にいるのだ。 周囲に散らばる死骸の正体――完全変態昆虫「クワガタ」もその例に当てはまる存在だった。 万痴連合によって人為的に培養され、人間の1/3ほどの巨大さを持つに至ったこの人工の虫の編隊。 2つのタイプの特殊能力の恐るべきコンビネーションは、周囲一帯の存在を根こそぎ薙ぎ払う威力を秘めていた。 あらかじめ持ち込んだ「殺虫剤」がなければ、いかに凱道家選りすぐりの戦士である二人とて、無事では済まなかっただろう。 「先行しすぎよ、雷。あなたの技量はすでに完成の域にあるとはいえ……だからこそ、自重力の導きを忘れてはならない」 「それがどうやら遅すぎたくらいのようですよ」 雷は後方を指す。 「すでにこのダンジョンは打ち棄てられたようです。慌てて退避したようですが」 「……なら、完全に痕跡は消し去られていない可能性があるわね」 数時間の後、二人は施設にあるコンピュータ端末の中にあるファイルを発見する。 万痴連合に対して、評議会を弾劾し、参加者に評議会に対する不信を抱かせるように指示した文書。 扇動の証拠となる文書であった。 その直後。 警報が鳴り響き、施設は凄まじい大爆発に見舞われた。 ガイドラインウォーズ(2) 「我が居城に忍び込むネズミがいると聞いたが……誰かと思えば君たちか」 果実四天王。 凱道家の戦士によってその一員であるフィリピンバナナが打ち倒された際、そのマンチの実態が明るみに出たため、 彼らは表舞台からの撤退を余儀なくされた。 現在、彼らに代わってマンゴスチンやドリアンが四天王の座についている。 雷と螺印、二人に前に現れたその男こそ、追放されたはずの旧果実四天王の一人。 「旧果実四天王――ドラゴンフルーツ! ここまでだ!」 「ふ……私の警備兵をずいぶん壊してくれたようだが、君らにはわかっているのかな」 あの大爆発の後。 辛くも脱出した二人だったが、証拠ファイルの持ち出しは叶わなかった。 しかし雷と螺印はその内容から、万痴連合を陰で操る黒幕の存在をつきとめることができた。 「君たちがいずれここに来るだろうことは予測していた。まあ思ったよりも早かったことは認めるが」 「…………誘い出された、ということか」 どうやっても証拠書類が持ち出せないということはドラゴンフルーツにはわかっていたのだろう。 証拠がなければ堂々と正面から踏み込んで捕らえに来ることはありえない。 ならば残る手はひとつ。潜入し、身柄を拘束したうえでアジトを捜索する。 「君たちにはそれしか選択肢がなかった。それゆえ備えるのは容易い」 ドラゴンフルーツはガイドセーバーを抜いた。 その色は彼の名が示す通りの紫。放逐されたとはいえ、その剣の噂は轟いていた。 二人に緊張が走る。雷がガイドセーバーを構える。 その時。 「今だ!」 ドラゴンフルーツが空いている手をさっと掲げると同時。螺印の体が吹っ飛ばされた。 雷が思わず振り返る。 高速で体当たりし、螺印を吹き飛ばした生物がそのままの勢いで通り過ぎていくところだった。 ――――野生の龍! 「おっと。よそ見はいけないな」 反射的に構え直したガイドセーバーに衝撃が走る。 ドラゴンフルーツの指先からほとばしった不気味な電撃を雷はセーバーで受け止めた。 「なかなかやりおる。それでは私も本気でいくとしよう」 「……」 雷の額にうっすらと汗が滲む。 着地した螺印に龍の吐き出した火炎が浴びせられる。 吹き飛ばされたエネルギーを利用して転がって避け、龍のほうに銃口を向ける螺印。 しかし。 直前で彼女はあらぬ方向へ銃を向け、そのまま発砲した。 「ぐえっ……!」 ドスンと音を立て、壁の隙間から何かが落下した。 自重力の乱れから、近くにマンチキンが潜んでいることを彼女は察知したのだ。驚異的な感覚の鋭さだった。 その感覚が告げる。今の攻撃ではそいつは死んでいない。 土埃が晴れたとき、そいつは起き上がっていた。 体表の8割以上が金属で覆われている。 「サイボーグ……ね」 「名乗らせていただこう。我こそが万知将軍……私の能力はかのレジェンドと同じ」 レジェンド――まだガイドラインが整備されていなかった時代。 本当に当時の能力と同等だとすれば、侮れない相手である。 口上が終わるのを待たず再び射撃を行う彼女の前に、さきほどの龍が立ち塞がる。弾丸が防がれる。 そして。 「『新説・無我の万知』……発動。私の力は――コピー能力だ。」 コピー能力。 それを聞いて螺印が予想した攻撃パターン。 自らの銃撃能力を利用される。 龍の火炎放射、嵐を呼ぶ天候操作能力が放たれる。 そのどちらでもなかった。 突如、流星群が彼女を襲った。 「な……今のは誰の」 「ククククク……驚いたか?」 得意げにそいつは解説を始めるが、その内容は耳を疑うものだった。 ..... 「それまでに発動された特殊能力をパクって発動させることができる……今までの永きダンゲロス史全ての能力を私は使えるのだ!!」 「…………」 これほどまでのマンチキンがいるだろうか。いや。それこそ有史以来初めてであることは間違いがない。 螺印は驚きを通り越して呆れ果てて物も言えなかった。 「さらに!」 万知将軍のボディからさらに金属の触手が生える。数は合計4本。 その触手の先にあるものは、それは。 「ガイドセーバー!?」 「いままで倒したガイドラインの使徒から奪ったセーバーだ! この多角攻撃に加え、コピー能力の多彩さ! 貴様に凌ぐことができるかな!?」 龍と、史上最強のマンチキン。 二つの脅威が螺印に迫る――。 ガイドラインウォーズ(3) 雷とドラゴンフルーツの戦いは熾烈を極めた。 速度、技、パワー。 全てにおいてドラゴンフルーツの力は抜きんでている……雷は自重力の流れから敵の剣撃を読むことで、かろうじてその動きに食らいついていた。 「やるではないか! さすがは凱道家一の戦士! その才能、散らすには惜しい!」 ドラゴンフルーツにはまだ余裕がある。 雷の実力も申し分ないとはいえ、鍛錬の積み重ねと戦闘経験ではドラゴンフルーツに一日の長があった。 何度目かの鍔迫り合いの後、雷は後方に跳躍し、間合いを取った。 緩やかに滑るような動きで徐々に距離を詰めながら、ドラゴンフルーツは語りかける。 「貴様の力は掛け値なしに一級だ……本当に惜しいな」 「チッ。さっきから惜しい惜しいと……先生かテメーは!」 姉がいなくなった途端、雷の口調から丁寧さは削ぎ落とされていた。 これが彼の地の性格らしい。 「俺を殺すのが惜しいってのか? 随分上から目線で言ってくれるじゃねえか」 「いやいやいや。誤解してもらっては困る。こう見えても貴様には最大限の敬意を表しているのだよ」 ぴたり、とドラゴンフルーツは歩みを止めた。 そこは二人の間合いのぎりぎり外の位置だった。 どちらかがあと半歩でも踏み出せば、再び斬り結びが繰り広げられるだろう。 「貴様には力がある。だがしかし、それに見合った評価もされていない。そして――貴様が護ろうとしているものにも、それだけの価値がない」 「何だと……?」 「怒るか? いや、貴様にも本当はわかっているはずだ。ガイドラインの守護が報われぬ役割であることを」 「はっ。悪りィが別に見返りが欲しくてやってるわけじゃねーんだよ!」 気合とともに雷のほうから仕掛けた。 横薙ぎの一閃は当然のごとくドラゴンフルーツに受け止められる。 「高潔だな。それは美徳だ。翻って現状はどうだ? 万痴連合のごとき小人どもに唆された程度で評議会を混乱に陥れる愚か者ども…… しかも彼奴等は自分たちが善意によって動いていると考えている」 ――この制約は参加者を陥れる罠だ ――この能力付属はダメだ、ないほうがマシだ 「不満を騒ぎ立てるだけで自らが生みの苦しみを味わおうとはしない。 所詮は義務を果たさず権利だけを主張する愚民共よ。貴様の真価はそんな者どものためにあるわけではなかろう」 「ぐ……」 絡みついてくるような言葉を振り払うように、雷はセーバーを振るうが、ドラゴンフルーツの鉄壁の守りを突き崩せない。 「貴様の力を真に活かす方法……ガイドラインに安定をもたらす解は、実のところ一つしかない」 「黙れ…………」 「簡単だ。能力交渉などさせてやらなければいいのだ。愚か者共にはな」 「……何だと?」 「考えもしなかったか? 貴様らが信奉するガイドライン――それにそぐわぬ連中など全て粛清すれば良い、と」 「馬鹿な……」 さすがに雷も唖然とする。 「てめえ……何を考えてやがる」 「考えていることはそのまま言ったわけだが」 「万痴連合を陰で操る黒幕が何を言ってやがる! そんなこと、連合の奴らは反発するに決まってるだろうが!」 「――もちろんだ。奴らは真っ先に始末する」 ドラゴンフルーツは。 感情が喪失した声で、あっさりと告げた。 「そもそもマンチキンなど本来組むにも値しないクズどもの寄せ集めだ。私の理想には程遠い。対極であるとさえ言えるだろう」 「…………」 「話を戻すか。なんの報いもなく会議、メール返信、質問への返答を行うGK――そのGKが作ったガイドラインに楯突く馬鹿共は全て排除すればいいのだ。 最初こそ愚民どもは戸惑うかもしれんが、なに、奴等はすぐに慣れる。結局キャラメイクしたいだけだからな。 そして理想のガイドラインに従わないクズ共――少しでもゲームバランスを乱そうとする者は容赦なく粛清し、晒し者にする」 「…………」 「そして、その理想の世界で、貴様一人だけは圧倒的な力を振るうが良い。ガイドラインという理に縛られぬ者――『転校生』として」 黙り込んだ雷に、ドラゴンフルーツはダメ押しのように続ける。 「私と共に行くのだ、凱道雷。貴様にはその資格があり、力があり、理由がある」 ガイドラインウォーズ(4) 「どうしてだ……どうしてだ」 そこはドラゴンフルーツの居城、吹き抜けのような空間だった。 どろどろに溶解した龍の死骸と、爆弾により四散した万知将軍のボディ。 そして、無傷でそこに立つ螺印の姿があった。 力なく疑問を口にしているのは肩から下が吹き飛ばされた万知将軍だったが、その声もかき消されそうな程に細い。 「どうしてか? そりゃあ、貴方達が馬鹿だからでしょうよ」 螺印はガイドブラスターを向けると、躊躇なく引き金を引いた。 「マンチ死すべし」 「――――」 すでに叫ぶだけの力も万知将軍には残されていない。 頭脳を撃ち抜かれ、焼かれて、彼の精神は完全に消失した。 龍と万知将軍、明らかに有利だったはずの彼らが敗北したのは、螺印に先制攻撃を許したのが大きい。 メルティングバレット……対象の防御を役立たずにしてしまうその銃弾を、戦闘の開始と同時に食らっていたこと。 体の外殻がどろどろに溶かされると、攻撃の回避が覚束なくなる。 そして、苦し紛れに特殊能力無効バリアを発動した万知将軍に、螺印はとどめの榴弾を撃ち込んだ。 それは、如何なる攻撃をも防ぐはずの障壁を容易く貫通し、万知将軍を粉々に吹き飛ばした。 もしも万知将軍に少しでも謙虚さがあったなら、最初の一撃を食らった後、接近戦は龍に任せて遠距離から螺印を攻撃していただろう。 敗因というなら、彼らは敵のことを甘く見過ぎていたというだけの話だった。 「ずいぶん時間を食った――雷は無事かな」 螺印は自重力の流れを読む。 その顔が曇った。 先ほどの場所に駆けつけた螺印を待っていたのは、袈裟切りにされたドラゴンフルーツだった。 その瞳に光はない。 「…………」 自重力の流れを読んで、ドラゴンフルーツが絶命したということはわかっていた。 しかし、凱道雷の姿はどこにもなかった。 GKは、感情を制御しなければならない―― スケジュールに合わせなければという焦りは怒りを生み、怒りは憎しみを、憎しみは暗黒を招く―― 雷の高すぎる自重力が負の方向に振れたとき、それは自重が足りないものを断罪する苛烈な裁きの刃となる。 ドラゴンフルーツを倒せたのはその力によるものだろう。 だが、その代償として、彼はガイドラインの暗黒面に落ちてしまったのだ。 「雷……」 螺印の前から、雷は姿を消した。 再び彼らが出会うのは血腥い闘争の場でのことである。 <おしまい> のんべえが女子高生に絡んで来た! 「ねぇえぇ、そこ、きみ、そう、そこのきみお嬢ちゃんちん。ちーとこっち来て、ね、お願ぁいおじちゃんの一生のおねあいだからさぁ、ね。そう、いい子いい子。かわいいねー。ねえ、どこ高に、いってんのぉ? ここ? ははぁ、きみみたいなキャワイイ子が魔人。あ、違うの。へえ。えへへ。まいいや。それ、制服、いいねぇ、若いねえ。ふとももがまぶしいね。 え、あ、急いでる? なんで? ハゲ丸ウドン?ん? 戦争? ははぁ、戦争。え、そうだねぇ、戦争ねぇ、大変だねえ。うん、分かる分かるよ。戦争は大変だの。わしも戦争に行ったわな。赤紙が来てな、第一陸上部隊陸軍歩兵、右召集ヲ命母セラル依テ左記日時到着地ニ参着シ……。あ? なんで憶えてるかって? そりゃあ、忘れられないよ。あの時、ぼくには妻がいたんだ。お腹には子供が居てね。そう。辛かったよ。妻と母とお婆に見送られ勝ってくるぞと勇ましく、御国のためなら命の一つ、咲かせて見せよう桃の花と来てね。 おう、思い出しちった、酔いも醒めちまわぁ。あの頃は大変だったよう、うん、大変だい。なんせ、酒、なんてないからね。わはは。今じゃ、ほら、少しマシで、ろれつ、回ってきたでしょ? すると、これ、ほら、腕、震えちゃうもんね。わはははは。アル中アル中じゃ、わははは――おおっとケイレンが。ごめんごめん、ぼくちゃんアル中だから、わざとじゃないんなよ、酒、酒がないとね、頭かフットーしちゃうよぉ。 お? これ? 瓶、からっぽだねぇ。酒ないねえ。ぼくはねえ、酒がないとね、頭、ほんとおかしくなってねぇ――わはははは。ごめんなちい。 わっ! ぼうりぃくはイカン。イカン、イカン。暴力はイカン。そうそう。しかし、きみ、なかなか、いいからだしてるねぇ。最近の若い子はグラマーだかポリマーだか、そんな、バカだよね。うん。これ、褒めてるんだよ。そうそう、怒っちゃダメダメ。褒めてるんだよ、きみ。小柄ぐれいと。でも髪が長いのはいただけんの。ちびっこいんだから、おかっぱとか、ね。幼さ素敵だよ。ほら。まあポニーテール、及第点、うなじも最高。ちょっと撫でて、舐めて―― あ、腕痛い。痛い痛い、折れた折れた。ああダメだ、病院に行かないと。薬。きみ、薬持ってきたまへ。百薬の長。え、分かんない? きみ、仕方ないな。あれを出したまへ。きみが出せる薬。母乳。……あれ、怒らないの? わはは。 そうだ、ちゅっちゅしよう、だえき、あれも薬だよ。あれ、その壁登ってどーすん? ぱんちゅ見えてるよ、おぱんちゅ。おーい。……きみ、登るの上手いねえ速いねえ――あ、危ない! 落ちる! あぶない、ってあぶないのは僕――」 衝突! 空飛ぶバンチョウ・パイソン オープニング ~撮影地:希望崎学園特撮部所有の採石場~ (遠くからボロボロの服を着た老人が走ってくる) チュドーン!(特撮おなじみの爆発) チュドーン!(特撮おなじみの爆発) チュドーン!(特撮おなじみの大爆発) (息も絶え絶えで走ってきてカメラの前までやってきた老人が一言) 桃爺「It s!」(意訳:はじまるよ!) (オープニングアニメーションに切り替わり) ナレーション「Bancho Python s Flying Circus!」(日本語訳:空飛ぶバンチョウ・パイソン!) 空飛ぶバンチョウ・パイソン 「ある本の悲劇」 ~ある昼下がりの番長小屋~ (金色が入ってくる) 金色「……あれ、珍しいですね。番長小屋に誰も居ないなんて。」 (辺りを見回し、何気なく置かれた一冊の本を見つける) 金色「ん、何でしょうこの本……」 (本を手に取り、パラパラと読み始め) 金色「!?」 (数ページめくった直後、バターンと倒れる金色。 そこに佐藤が入ってくる) 佐藤「あれ、金色さん? 床で寝てるとカゼひきますよ。 ……? 何だろう、この本……」 (倒れた金色のそばに落ちていた本を読み始める佐藤) 佐藤「!?」 (金色と同じページを見た瞬間、バターンと倒れる佐藤。 そこに今度は錆山が入ってくる) 錆山「金色君に佐藤君、なんで二人とも床で寝っ転がってるんだろ…… ん、これ何?」 (例の本を拾い上げ、読む錆山) 錆山「!?」(バフッ) (例のページを見た途端、口から酸を噴いてバターンと卒倒する。 そこに、小野町とカッタールキが現れる) 小野町「……これは何事だ……?」 カッタールキ「美しくない光景ね……あらぁ?」 (件の本を見つけて、二人で見てみる) 小野町「!?」 カッタールキ「!?」 (二人揃ってバターン。) (しばしの静寂の後、羽犬塚が慌てて走ってくる) 羽犬塚「いけないいけない、忘れるところだったわ……」 (倒れている五人は特に気にせず、本を拾い上げる) 羽犬塚「無理言って友達に描いて貰ったのよね、この金色×佐藤本。 ちょっと刺激強めで、ってお願いしたら凄くハードになっちゃったけど…… これはこれでいいわね、こういう展開もアリって思えるし。 あ、でも萌木原ちゃんとかに見せないようにしないとね。変なトラウマになっちゃったらいけないし……」 (本をパラパラ読みながら、番長小屋を後にする) 空飛ぶバンチョウ・パイソン ~スパム?~ ある日の夕方。 ダンゲロス子が番長小屋の扉を開けると、そこにはいつもと趣の違う風景が広がっていた。 「ん、なんか良い匂いすると思ったらメシ作ってんのか。」 珍しく整理された机と椅子、そしてそこに座る面々。 その前には美味しそうな料理が並べられていた。 そして部屋の一角では、どこから準備してきたのか流し台とコンロが設置され 真野孝三がせわしなく、コンロと俎板の前を往復しているところだった。 「ああ、ダンゲロス子さんこんばんは。宜しければ夕食でも食べていきませんか?もちろん、無料で。」 「お、いいのか?助かるぜ……なにしろ今月パチ負けっぱでピンチなんだよな…… ところでメニューは?」 「色々ありますよ。ベーコンエッグとか、ベーコンエッグ&ソーセージとか」 「や、それ朝食じゃんか。もーちっと腹にたまるモンで頼むわ」 「それでしたら、ベーコンエッグ&スパムとか、ベーコンエッグ&ソーセージ&スパムとか如何でしょうか」 「スパム足しただけかよ! いやさ、もーちっと晩メシに向いたメニューをだな……」 「それでは、ステーキ&スパムやハンバーグ&スパムやチキンソテー&スパムはどうでしょう」 「……や、スパムはいらねえわ。スパム抜きのメニューってなんかないの?」 「でしたら、ステーキ&スパム&スパムとかハンバーグ&スパム&スパムとかチキンソテー&スパム&スパムとか」 「増えてるじゃねえかよ! そんなに肉ばっか食えるか!」 「確かにバランスが悪いですね。白身魚のムニエル&スパム、サーモンフライ&スパムなんかは」 「魚にしろっつったんじゃねえよ! ……聞いてるだけで胃もたれしてきたんだが」 「おや、胃の調子が悪かったのですか……それなら中華粥&スパムやスパムうどん&スパムのような軽いものがいいかもしれませんね」 「スパムが入ってる時点で軽くねえ! てか胃が調子悪いのはテメーのせいだぞ! ……もういいや、とにかく今作れるメニュー一通り言ってくれや」 「かしこまりました。サラダ&スパム、ペペロンチーノ&スパム、海老グラタン&スパム。 海老ドリア&スパム、ビーフカレー&スパム、ポークカレー&スパム、スパム&スパム、スパム&スパム&スパム、」 「待て、スパム&スパムはもう料理って呼べねえだろ。しかもまだ上があんのか」 「スパム&スパム&スパム&ポテト、スパム&スパム&ポテト&スパム&サラダ、 スパム&スパム&スパム&スパム&ポテト、スパム&スパム&タカ&トラ&バッタ、」 「オイ何かコンボが混じったぞ今。 ! さっきから虎見かけねえのは、まさか……」 「スパム&スパム&スパム&愛しさ&切なさ&バッタ」 「心強さじゃねえのかよ! ていうか、愛しさや切なさって食材か?」 「スパム&スパム&スパム&スパム&スパム&……」 「ああもううるせえ! もうメシはいいや、酒だけよこせ!」 「かしこまりましたスパム、焼酎の水スパム割でいいですかスパム」 「……とうとう語尾がスパムになってんぞ…… てか今日のお前絶対ヘンだぞ。そう思わねえか、みんな?」 「そんなことないと思うけどスパム」(←鬼無瀬) 「そうですわよ、いつも通りおいしい料理を作ってくれてるじゃないでスパム」(←松茸) 「確率論的に言って、真野さんに変調がスパム起きている可能性は皆無でスパム」(←湯川) 「まったくだ、仲間をスパムるのはスパム良くなスパム!」(←赤城) 「スパムスパムスパムスパムスパムスパムスパム」(←蝦夷廻) 「…………」 唖然とするダンゲロス子をよそに、他のメンバーが立ち上がり、肩を組み合い。 スパムスパムスパム……と歌い始める。大合唱である。 そして、ダンゲロス子のおつむは―――思考を停止した。早い話が、気絶である。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 後にこの騒ぎの原因は、桃爺が酔っぱらってダンジョンに潜った際にゲットした 『呪いのスパム』の影響であることが発覚したのだが―――それはまた、別の話である。 格闘ゲーム風番長Gアタッカー紹介 “地獄からの追跡者”荻原 蔵六 動きの速さを生かして戦うスピードファイター。 ゲージ消費技『影解れ』は、ゲージを消費することで相手のゲージ消費技を自分で使用することができるコピー技。 ただし、デメリットもコピーしてしまうため注意が必要。 手芸術による遠距離攻撃、素早い動きと高い攻撃力のそろった、初心者から上級者まで幅広く使うことができるキャラクター。 “阿天翼心流剣術”阿天小路御影 虎をも超える攻撃力と、竹刀を使ったリーチの広い攻撃が特徴のパワーファイター。 ゲージ消費技『無形刀〝鵆〟』は、相手のサポートキャラを問答無用で退却させる攻撃技。 ただし、使用した後は一定時間攻撃が下がるため、使うタイミングに注意が必要。 攻撃の隙が多く、密着されると不利になるので、攻撃の間合いを掴む必要がある、中、上級者向けのキャラ。 “炎の格闘娘”ダンゲロス子 バリエーション豊富な攻撃技を持つバランスファイター。 フレイムチャージャーやフレイムパンチャー、フレイムウィップなど、ゲージ消費技の数は全キャラ中最多。 通常技も他キャラに比べて多く、コンボ重視や一撃必殺など、様々なスタイルで戦うことができる。 また、一定以上ダメージを与えると数秒間の間通常技に対して無敵になる『フレイムブースターver.2.0』を持っているため、 非常に攻撃的なプレイが可能となっている。 コマンド入力が多いため、中・上級者向けのキャラ。 “呪いの調理人”真野孝三 手数の多い攻撃と、威力の高い飛び道具を多く持ったスピードファイター。 ゲージ技は相手の精神ゲージが低ければ低いほど強力になる飛び道具『ダイイングキッチン』。 強力な飛び道具を持つが耐久力と防御性能が非常に低いので、一つのミスが敗北につながることの多い、中・上級者向けのキャラ。 “高鬼の鬼”椎木 彗香 攻撃力は低いが、非常に強力なゲージ技を持った、特殊なパワーファイター。 攻撃技はほとんどなく、せいぜい隙を作る程度の技しかないが ゲージ消費技である『墜鬼』は非常に強力で、ほぼすべての相手を一撃で屠ることができる。 非常に癖の強い、上級者向けキャラ。 “百獣の王”虎 出の速い攻撃技と高い耐久力、そして圧倒的なスピードと、百獣の王の名を冠するにふさわしいパワーファイター。 また、ゲージ消費で一定時間攻撃力と速度を引き上げることができる。 欠点があるとすれば飛び道具がないことだが、動きが速いためそれが問題になることはほとんどない。 初心者から上級者まで、幅広く使うことができるキャラクター。 “兄を探して三千人”萌木原ジャベリン 近接技をほとんど持たない代わりに威力の高い遠距離技を持つ、特殊なパワーキャラ。 近づかれたらほぼ終わりといっていいほど接近戦が弱く、使いこなせなければ一方的にボコボコにされることもあるが、 飛び道具の数は全キャラ最多。中でも、ゲージ消費技の『サリンジャー』は、隙は多いが当たればほぼ即死という圧倒的な威力を誇る。 他のキャラとは一線を介す、超上級者向けキャラ。 “鬼無瀬時限流門弟”鬼無瀬 未観 出の速い技と動きの速さが特徴のトリッキーなスピードキャラ。 特殊能力『再度歪印蛇』によって、戦闘開始から一定時間の間、ダメージを与えれば与えるほど動きが速くなるため、 トップスピードはマーヤ、萩原を超えて全キャラ中トップを誇る。 半面、耐久力は非常に低く、最悪一撃で逆転されてしまうことも… 使い手を選ぶ、中・上級者向けキャラ。 “セクハラじじい”桃爺 癖のある動きと特殊な防御、予備動作の多い攻撃技と、全体的に使いずらいキャラ。 しかし、非常に高い耐久力と異常な射程の長さをもち、一部のキャラを一方的に殴り殺すこともできる。 使いこなしさえすれば強い、上級者向けのキャラ。 “無機質な観察者”小野町小道 相手の動きを封じる特殊な技を多く持つパワーファイター。 ゲージ消費技は相手の精神ゲージを大きく削る『性体観察』 このほかにも精神ゲージを削る技を数多く持っている。 耐久力の低さをゲージ削りと攻撃力の高さでカバーする、上級者向けキャラ。 “円月殺法”レミィ・虚子・ロー 攻撃範囲の広さを生かして戦うバランスファイター。 全体的にバランスの取れた、使いやすいキャラクター。 ゲージ消費技の『円月殺法』は自分の周囲を一瞬で薙ぎ払う広範囲攻撃。 癖の少ない、初心者から上級者まで使用できるキャラクター。 “アイヌからの巨人”ペウレカムイ とにかくでかい!リーチの広いパワーファイター。 序盤は攻撃速度、移動速度ともに遅いが、 相手のダメージを与えていくにつれて緩やかにスピードアップしていくスロースターター。 また、でかいおかげで攻撃範囲も広いが、あたり判定も大きい。 序盤での立ち回りが難しい、上級者向けキャラ。 “逆境に咲く華”カッタールキ・オッティソン 一発逆転の可能性を秘めたバランスファイター。 防御、攻撃、速度、すべてにおいて平均より下だが、 自分の体力が20%を下回ると、速度と攻撃力が大幅に上昇する、後半に強いキャラ。 ペウレカムイと同じく、序盤での立ち回りが難しい上級者向けキャラ。 “オレのそばに近寄るなああーッ!”佐藤頼天 カウンター技を多く持つ特殊なキャラ。 特に、ビッチとレイパーに対してはめっぽう強い。 ダメージソースが殆どカウンター技しかないので、非常に使いづらい超上級者向けキャラ。 “シュヴェスターガルテン”縞居天 特殊な攻撃技を多く持つパワーファイター。 天自身が攻撃することはほとんどなく、妹である多来が攻撃することが多い。 攻撃力、耐久力ともに高いが防御性能が低めなので、接近戦は苦手。 かといって、遠距離に行き過ぎるとこちらの攻撃手段がなくなってしまうため、 常に中距離を保たなくてはならない。中・上級者向けキャラ。 “廻るサイボーグ”蝦夷廻ねねか 高い耐久力を持つパワーファイター。 スーパーアーマー効果を持つ技が多いため、強引に攻めていくことができる。 さらに、ゲージ消費技に自分の体力を回復する技もあるので、ダメージを気にせず攻めていくことができる。 初心者から上級者まで使うことができるキャラ。 『本戦開始直前!凱道雷の憂鬱』 一組の男女が住宅地をのんびりと歩いていた。カップルだろうか? 女性の方は落ち着いた物腰で、やや大人びた雰囲気を醸し出している。 男性の方はわんぱくそうな顔つきをしている。 デートというわけではないようだ。二人とも地図を見ながら、少し歩いてはキョロキョロと辺りを見回し、 再び地図に目を落としては歩いてを繰り返していた。どうやら道に迷ってしまったようだ。 困り果てた様子の二人は、ちょうど付近にたむろしていた町の不良達と目が合い、意を決して話しかけた。 「すいません。少し道に迷ってしまったのですが、お尋ねしてもよろしいでしょうか?私立希望崎高校なのですが。」 「き、希望崎学園!?バ、バカやろう! てめえ、そこの看板が見えねえのか! 『この先、DANGEROUS! 命の保証なし』 この先は戦闘破壊学園ダンゲロスなんだよ!」 「ダンゲロス……、それでも僕は行かなければなりません。なぜなら、僕は転校生なのですから。」 またしばらく歩くと、再び道に迷った二人は近くを歩いている魔人公安に話しかけた。 「すいません。少し道に迷ってしまったのですが、お尋ねしてもよろしいでしょうか?私立希望崎高校なのですが。」 「希望崎学園?ああ、あの魔人学園ね。まあ、魔人って言っても普通に銃で撃てば死ぬような連中だけど。」 「それでも僕は行かなければなりません。なぜなら、僕は転校生なのですから。」 またしばらく歩くと、再び道に迷った二人は近くを歩いている歩行者に話しかけた。 「すいません。少し道に迷ってしまったのですが、お尋ねしてもよろしいでしょうか?私立希望崎高校なのですが。」 「希望崎学園?ああ、あのビッチとレイパーと変態しかいないっていう学園ね。」 「そ…それでも僕は行かなければなりません。なぜなら、僕は転校生なのですから。」 またしばらく歩くと、再び道に迷った二人は近くを歩いている歩行者に話しかけた。 「すいません。少し道に迷ってしまったのですが、お尋ねしてもよろしいでしょうか?私立希望崎高校なのですが。」 「希望崎学園?ああ、あの熊と虎が歩き回る無法地帯ね。」 「帰ろう、姉さん。」
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地の文が多かったり、書き溜めた量が多かったり 諸所の理由・事情でスレに投下できない(しない)作品群。 投稿は自由にしてくださって構いません。 投稿したいができない人は言って下され。 作者 タイトル 備考 管理人(HN思いついたらそのうち変更) 前兆 イフリーたんと女の話。微グロ? 管理人(HN思いついたらそのうち変更) 癒着(虹が出てくる話) 上の後の話。病院の中です。 管理人(HN思いついたらそのうち変更) 決意 上の続き。バハムーたんも出してみた 管理人(HN思いついたらそのうち変更) 邂逅 上の続き。いつまで続くかはわからない
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古参陣営最終応援ボーナス:182点 数珠 浅葱(すず-あさぎ)のキャラクター説明 努々 明里(ゆめゆめ-あかり)/海辺の町/剣道の道場主の娘/両親はすでに亡くなっており、祖父と二人で暮らしている。 雪(すすき)/転写体/14歳 清々那 帰莢(すがたな-きさや) 数珠 刹那/浅葱の祖父/名の知れた剣客であり医者 もう一人のアサギ/女性/刹那とユウナの娘 闇との性交/浅葱に関する根も葉もない噂の一つ?/この噂に根拠はない 努々 明里(ゆめゆめ-あかり)/海辺の町/剣道の道場主の娘/両親はすでに亡くなっており、祖父と二人で暮らしている。 浅葱に助けられた少女。はじめは浅葱を気味悪がっていた。 彼女の祖父、努々 草月は、剣客でもある浅葱の祖父とは、旧知の仲である。 明里の住む町に来た浅葱であるが、風当たりは冷たく、餓死寸前で駅の前に倒れていた。 そこにたまたま現れた草月に助けられ、浅葱はしばらく彼の家に身を置くことになる。 そろそろ、次の町へと発とうと考えていたころ、草月と彼の友人が、この町で現在起こっている異変について話しあっているところに出くわす。 彼の友人は、浅葱を避けるように、その場から立ち去ってしまう。 「虫の居所が悪かったんだろう」と、その場を取り繕う草月をいぶかしみながらも、浅葱は「そうか」と応え、余計な節介は無用と解釈する。 しかし、その晩、用事を終えた浅葱が、草月の家に戻ると、家の中から異様な気配を察知する。 家の中に入った浅葱は、全身をどろどろに溶かされて虫の息となっていた草月を発見する。 浅葱の目には、全ての気配と性質、またその軌跡が見えており、何がその場であったのかをその瞬間に推理し悟った。 そっと草月の体に触れてみると、草月の体に付着した草月とは異なる何かの体液は、まだかなりの湿り気を帯びていた。やはりまだそれほど時間は経っていない、と浅葱は瞬時に状況を把握する。 「無理はしなくていい。いったい何があった?」 そう問う浅葱に対して、ただ、一言、草月は、 「明里を……」 とそれだけを述べる。草月の言葉を聞き、浅葱はすぐさま階段を駆け上り、明里の部屋へ向かう。 悠長に考えている時間はない。浅葱はそう判断したのだ。 明里が浅葱を避けているのは、誰の目にも明らかだった。浅葱が帰ってくるこの時間帯、浅葱と顔を合わせないように、明里はいつも部屋に閉じこもっていた。 草月は「年頃だから」と、取り繕っていたが、浅葱は単純に余所者を警戒しているのだと感じた。得体のしれないものに対し、警戒心を抱くのは自然なことだ。こちらから無理に近づいて、警戒心を煽る必要もないな、と浅葱は関わらないようにしていた。 浅葱が二階に上がると、明里の部屋のドアは溶かされ跡形も無く、そこから灯りが漏れていた。浅葱の四眼には、すぐ目の前を「青白い」気配の何かが横切るのが見えた。それを追いかけて、浅葱は明里の部屋へ入った。 浅葱の四眼が、部屋の中の明里の気配を捉える。 「た、たすけて……!!」 消え入るような明里の声が、浅葱の耳に入る前に彼は動いていた。 両手で、脇差に手を添え、抜刀する。それと同時に、何かは、この世のものとは思えない背筋を這うような悲鳴をあげた。 浅葱は思う。確かに、両断した。その手応えはあった。しかし、何かの気配は、未だにこの空間の中で蠢き、活発に収縮を繰り返している。 浅葱は、両手に携えた脇差を床に突き刺した。そて、静かに息を吐き、呼吸を落ち着かせる。 浅葱は、生まれながらに背に痣を持って生まれてきた。血を塗りたくられたようなその痣からは、六つの腕が浮かび上がっている。 現世の万物には、決して見ることも、触れることもできないそれは、冥府の六道の門を預かる。六腕と浅葱はそれを呼ぶ。 浅葱が、その両眼を開いた刹那、六腕のうち一本が、浅葱の胸を貫いた。 浅葱の心臓が、突如として、活動をやめる。浅葱は頭を垂れ、その体は前のめりに倒れこもうとした。しかし、何かに吊るされているかのように、浅葱の体が床と平行となることはなかった。 何も動かない。部屋にかけられた時計の針さえ進みはしない。全ての時間が止まっていた。その空間は、まるで凍りついたかのように――四眼――に支配されていた。 死。 絶対的な死が浅葱に満ちていくとともに、彼自身の気配が変わっていった。満ちていく死を糧に脳に巣食う四眼が神経を伸ばし、彼の両眼を侵食していく。浅葱の肉体の内部を破壊しながら根を下ろしていく。浅葱のその髪は老婆のように白く、その瞳は、血のように紅く染まっていく。 死が浅葱の体を支配したとき、浅葱の体は、四眼によって支配されていた。操られるように再び力を取り戻す浅葱の存在は亡者と化す。それと同時に動きだす時間と空間。 六腕が彼の胸から抜かれ、浅葱の意識が、再びその肉体の元に帰った時、何かが、「何か」言葉めいたものを発しているのを、浅葱は本能的に理解した。 しかし、浅葱はそれに耳を貸しはしなかった。それもまた浅葱の本能であった。 浅葱は、そっとその何かに触れた。 その瞬間、全てが決した。 その何かは、吐き出すように、巨大な仮足のようなものを天に伸ばした。そして、その仮足の内部から、一人の少女を吐き出し、さらに中空に捧げた。 少女は安らかに眠っていた。その神々しささえ抱く光景に、様子を見守っていた明里さえ見とれていた。だが、浅葱は違った。そっと瞳を閉じ、それに背を向ける。その瞬間だった。弾けるようにして、少女の体は破裂し、その肉片を周囲に散らした。 浅葱はじっとその場に留まり、その光景を背にしたまま表情を変えなかった。 何かと少女の肉片は、ぱちぱちとさらに爆ぜ続け、やがて消えてなくなった。 明里はその後、静かに意識を失った。 気づいたとき、浅葱の姿は無かった。明里は病院で目を覚ましたときは、集中治療室で草月が治療を受けており、それ所では無かったのもある。それ以来浅葱に会っていない。 草月は、なんとか一命を取りとめ、また、道場で剣を奮っている。 明里の中には、もやもやがあった。彼女は、浅葱にお礼を言いたいと思った。しかし、草月に尋ねても、草月は彼の行く先を知らなかった。 草月は言う。 「彼は業を背負っている。いや、自らそれを背負いこんでいる」 明里は草月から浅葱の話を聞く。 明里は思った。 「それは違うよ」 そして、もう一度浅葱と会って話がしたかった。しなくちゃいけないと思った。 それ以来、明里は浅葱を探している。 「この人知りませんか!?」 きちんと、お礼を言って、そして――。 雪(すすき)/転写体/14歳 雪は学校で山登りをした帰り道に、青白い球状の物体を拾う。 それを持ち帰り、しばらく身に着けていると、ある日、その物体は弾け、中から見たことも無い生き物が数匹現れた。 驚いた雪だが、どこかその生き物のしぐさを愛おしく思い、隠れて育てる。 しだいに大きくなっていく生き物たち。これ以上は、家族に隠し通すのも難しくなってきたため、雪は球状の物体を発見した山の中に生き物たちを移した。 しかし、最近の雪の様子に不信感を抱いていた、クラスメイトの男の子(スグル)に後を付けられてしまう。 その生き物のうち一匹を発見したスグルは、その気味の悪さに悲鳴を上げてしまう。そして、恐怖のあまり、手近な石でその生き物を殴り殺す。 悲鳴を聞き、駆けつけた雪はその惨状を目撃する。ショックを受けて泣き崩れる雪に、スグルは「あんな生き物、すぐに殺したほうがいい。おまえが無理なら、俺が全部殺してやるよ」と言い残し、その場から立ち去る。 一頻り泣いた後、生き物たちを探す雪だが、その生き物たちはスグルによってめちゃくちゃな状態であちこちに転がっていた。 だが、生き物たちは帰ってきた。彼女は喜んだ。 しかし、スグルとその家族は、奇怪な死を遂げていた。雪はそれを自業自得だと思った。 それからも、生き物たちは、自ら人を襲うことはなかったが、彼らを山中で見つけた登山者などは、狂ったように執拗に彼らを追いかけ彼らを殺そうとした。 そして、逆に彼らによって殺された。雪はいい気味だと思った。先に手を出したのはあっちだなんだからと、さらに生き物たちを愛でるようになった。 だが、ある日、浅葱は町でたまたま彼女を目撃する。 くすんだその青い気配に違和感を覚える。 それから数日後、あまりに行方不明者や死者が多いため、青年会で山狩りが行われる。しかし、その晩、青年会は帰って来なかった。 警察が捜索したところ、山中には青年会と思われる変死体が点々としており、生存者も発見されるが、発狂しておりとても話のできる状態ではなかった。 浅葱はその話をある少女から聞く。 少女はたびたび路上で歌う彼のところに来ていた。少女は兄が謎の変死を遂げたことを告げる。 少女は浅葱が魔人であることに気づいており、あの山に何がいるのか調べてほしいと懇願された(できれば退治してほしいとも)。 浅葱自身、この町で起こっている怪異に思うところがあったため、それを承諾する。 山中に入ると、浅葱は何者かに襲撃を受ける。 見ると、それは死者の気配であったが、青白い何かによって侵食されていた。その気配は山中に散らばっている。 「もう、無理だな」 浅葱は呟く。 彼らはこの山中に潜む何かに殺され、さらに、恐らくそれを飼っている何者かの手によって肉体の半分近くを「同化」させられていた。 浅葱は抜刀し、深く息を吐いた。 ・ ・ ・ 「来るな、人殺し……!」 手近な石を拾い上げ、雪はそれを投げつけた。 浅葱は冷たい表情のままそれを避ける。 「なんで、なんで、皆を殺したんだ……! よくも、よくも……!!」 雪は望む望まざる、知らず知らざるに関わらず、仄暗い魂によって選ばれた存在だった。 「皆? お前の生み出したあれらは、人か?」 雪は答えに詰まった。 あの生き物は確かに、人ではない。しかし、雪はあの中に少女の影を見出していた。 「けど、あれは、友達だったんだ……!」 「そうか」 雪は後ずさる。白い髪に、深紅の瞳、彼女は浅葱という存在に、恐怖を覚えていた。 「お前はもう戻れない。捨て犬を拾ったようなつもりでいたのかもしれないが、あれはそんな生易しいものじゃない。お前の魂は魅入られたに過ぎない……。やがて、あれと同じ化け物に、今度はお前自身が成り果てる」 雪は浅葱の話を理解していなかった。彼女の目には血に濡れた浅葱の脇差しか映っていない。 「……だから、私を……」 殺すの? 「……」 無言。 長い沈黙の後、浅葱は口を開いた。 「お前は責任を取らなければならない。お前の軽率さによって、この町の住人が犠牲になった。家族を失ったもの、友人を失ったもの、彼らは決してお前を許しはしない」 「けど、それはあっちが……! あっちが、先に手を出したからなんだよ……! そうじゃなかったら、あの子達が、あんな酷いことをするはずがないんだよ……!」 「お前は、あくまでそう信じるのか」 浅葱は静かに雪へと手を伸ばす。まるで、何かに体を射抜かれているのかのように、雪の体は動かなかった。 『怨むなら、怨め』 浅葱の深紅の瞳と表情は、雪にそう告げていた。 ――転写。浅葱はその現象をそう呼ぶ。あれらと心を通わせ、あれらと関わってしまった者に、平穏などありはしない。やがて、彼女も、彼女が犠牲者に施したように、肉体と魂を少しずつ侵食され、書き換えられる。その魂は永劫、穢されたまま、清まることは決してないのだ。ならば、いっそ、その前に。 雪の頬を涙が伝う。死にたくない。雪は浅葱にそう眼で訴える。しかし、浅葱の掌は、すでに彼女の頭を捉えていた。瞬間、少女は悲鳴を上げた。海老反りに腹を持ち上げ、許しを請うように、浅葱の方へ手を伸ばす。 肉を裂き、服を引き裂いて、何かが、雪の胎内から顔を出す。仮足のようなものが、雪の腹の裂け目から、天へ向かって伸びていく。 雪は獣のような、悲鳴を上げながら悶え苦しむ。雪の指先が浅葱の頬に触れた直後、その何かは、突如として爆ぜた。 雪の意識はそこで途絶えた。 気づくと、雪はあれらと関わった、一切の記憶を失っていた。 お腹には、手術の後があった。 「応急措置がよかった」 と、医者は言っていた。しかし、誰と一緒にいたかなど、雪にはその記憶がなかった。 ある少年が、山中にいた彼女を、麓まで担いできたらしいが、彼女には心当たりはない。 雪の母は、目覚めた雪をぎゅっと抱きしめた。雪の父は医者や警察にあれこれと聞いていた。 何があったんだろう。雪はふとそんなことを思うときがある。しかし、それと同時に「思い出さなくていい」という、そんな声が自然と内から湧くのだった。 ただ、私を助けてくれた少年。彼については、いつかきちんと思い出せたらいいな、と雪は思っている。 清々那 帰莢(すがたな-きさや) 少女は虚無を内に抱えていた。少女の名は帰莢と言う。 浅葱は思う。俺が彼女を殺した。 「俺は業(つみ)を背負っている」 かつて、浅葱は自らの祖父の友人、草月にそう語った。帰莢と浅葱の間に何があったのか。それを人づてに聞いていた草月は、浅葱のその言葉を聞き、彼の言う「業」を、そのように解釈した。 草月のほか、浅葱と帰莢の間で起こった出来事を知っているものは、ごく一握りである。 そもそも、「清々那 帰莢」という存在が、無名の魔人でしかない。それを知っているものがまず少ないのであるから、浅葱と彼女の間で何があったのかなどに、興味を持つこと自体ほとんどないのである。 ・ ・ ・ 「ここ、大丈夫?」 帰莢は浅葱に問いかける。 彼は無言で頷く。 昼下がりの休日、帰莢と浅葱は、ただ静かに軒下から庭を眺めていた。 「道場はいいのか?」 浅葱は尋ねた。 「今日は、父さんがいるから」 と、帰莢は微笑む。浅葱は「そうか」と言った。 帰莢の父親、清々那喜朔は、瞳術の復興者であり、現代瞳術を大成させた存在であった。当然、その娘である帰莢も、その瞳術を叩き込まれ、出稽古で滅多に家にいない父に代わり、道場を預かっていた。 この時間帯、いつも帰莢は、近所の子ども達に瞳術の稽古をつけてあげていた。 「なら、早く帰った方がいい」 しばらくの間を置いて浅葱はそう続ける。 久しぶりの親子水入らずと言うのに、わざわざ自分と共にいる必要もない。 浅葱はそう考えた。 しかし、帰莢は首を振った。 「私は養子だから」 浅葱はそれ以上言葉を続けなかった。 帰莢は、幼少の頃、道に置き去りにされていたところを、今は亡き喜朔の夫人に拾われた(その頃は、夫人ではなかったらしいが)。 帰莢に瞳術の才能を見出したために、喜朔は帰莢を必要とした。しかし、もし、帰莢に才能を見出さなければ……。 二人は、それ以上互いに言葉を交わさなかった。ただ、静かに時間だけが過ぎていく。 日が沈んだころ、帰莢はぽつりと言葉を漏らした。 「バカだね、私。こんなのいつまでも続くはずないのに、ずっと続いたらって思っちゃったよ」 帰莢は袖で目をさっと擦り、「父さんの夕食作らないといけないから」とその場から立ち去る。 周囲には人の気配はなく、月明かりだけが浅葱を照らしている。 「……ずっと、か」 浅葱はそう呟いた。 「お前、何なんだよ」 見覚えのない少年が、ある日、浅葱の前に現れた。 「何のことだ?」 こう言ったのは嘘ではない。しかし、少年はむすっとした表情で浅葱を見ている。 「……お前、帰莢の何なんだよ」 「質問の意図が分からん」 そう答えると少年は声を上げる。 「お前は帰莢のことが好きなのか!?」 「……考えたこともないな」 「嫌いなのか? それとも……そうなのか?」 「回りくどいな」 浅葱は押し黙る。このような乱暴な物言いをする以上、こちらから、その意図を汲んで、それに答えてやる必要はない。 長い沈黙の後、少年はか細い声で言った。 「……帰莢のことが好きなんだよ。あいつを手に入れるのに、お前が邪魔なんだ……」 「……そうか。なら、安心しろ。俺はあいつのことなど、何も思っていない」 浅葱はそう答えた。事実、浅葱はこの少年が抱くものと同質の感情を、帰莢に抱いてはいなかった。 「本当か!? 本当なんだな?!」 「ああ」 浅葱はそれだけ告げた。 「なら、今度あいつが来たら、突っ返してくれよ。そしたら、あいつもお前を諦める!」 浅葱はうんざりした。なぜ、自分がそこまでしなければならない。 「俺はお前の邪魔はしない。後は、お前の力でどうにかしろ」 浅葱は立ち上がり、部屋の奥へと引っ込んだ。 翌日、帰莢はいつもと同じように、浅葱の元へとやってきた。 浅葱はいつもと同じように、軒下にただ、座っていた。 「浅葱くん」 珍しく帰莢が彼の名を呼んだ。 「あのね、昨日、誰か来たの?」 そう問う帰莢に対して浅葱は「来たな」とだけ告げた。 「何か言われたの?」 帰莢はさらに問う。 「多少、言葉を交わしたな。ただそれだけだ」 「私のことについて聞かれた?」 「ああ」 「なんて……答えたの?」 「愚問だな」 浅葱はそう答えた。 帰莢はそれ以上、浅葱にこのことを問いはしなかった。 こんなやり取りがあった後も、帰莢は時間を見つけては、浅葱の元へやってきた。 二人は一切の会話をしなかったが、不思議と二人の間に流れる空気は優しいものだった。 「お前、この前、何ていった?」 あのときの少年が再び、浅葱の前に姿を現した。 浅葱はただ黙っていた。 「おい、言ってみろよ!? てめえ、前、俺に何ていった!?」 「……しつこいな」 浅葱は呟いた。 「何だって!?」 「俺は何もしていないが? 何か問題があるとすれば、それはお前自身であると俺は思うがな」 少年は絶叫し、怒りを露にして浅葱に殴りかかった。浅葱はそれをひょいと避けて、腰の脇差を抜く。そして、その切っ先を少年の首元に突きつけた。 「……!!」 浅葱は無言のまま、動かない。 「お、お前、め、眼が見えないんじゃ……?」 浅葱は答えなかった。 そのときだった。 「……何してるの?」 帰莢だった。 「道場はどうした?」 浅葱が問う。 「父さんが戻ってきたから。それより……」 「帰莢……!」 少年が帰莢にどたどたと駆け寄る。浅葱は脇差を鞘に戻した。 「み、み、見てただろう? こいつ、俺に刃物を……!」 「大丈夫、浅葱くん……?」 「え……?」 少年の脇を通り過ぎ、帰莢が浅葱に駆け寄る。 「大丈夫だ」 浅葱はそう答える。 「なめやがって……!!」 浅葱が見ると、少年はまだそこにいた。そして、能力を増大させている。 何かをしようとしているのは、誰の目にも明らかだった。だが、浅葱は少年の能力を見誤っていた。 「……!!」 浅葱が危険を察知したとき、少年の右手が帰莢の胸を貫いていた。 少年は、ぐったりとした帰莢をぐっと抱き寄せ、そっとその髪に鼻をつけた。そして深く息を吸う。 「ずっと、ずっと、見てたんだ。好きだった。触れたかった。一つになりたかった。なのに。お前さえいなければ……」 少年は、ぎょろりと浅葱を見る。 「帰莢……!」 見えなかった。少年の動きを彼は見切ることができなかった。その事実が浅葱を慎重にさせる。何かある。しかし、それ以上に、目の前の帰莢の惨状が彼の思考を鈍らせていた。 「悔しいか? 悔しいよなあ? 俺は、今、帰莢と一つになってるんだ」 「ごふっ……!」 帰莢がわずかに顔を上げる。 「きみ……、ま、えに、私の、瞳術が見てみたいって言ってた、よね……?」 帰莢の瞳術――浅葱は、それを知っていた。 「言った! 覚えててくれたんだ!」 少年は顔を綻ばせる。 「なら、今、見せてあげる……。浅葱くん、君は、どっか言ってて……」 「ハハハ! 浅葱ぃ! だってさぁ!」 少年は血の臭いに酔っていた。浅葱は拳を握り締め、さっとその場から去った。 その瞬間、少年の悲鳴と、何かがずたずたに引き裂かれる音が聞こえ、浅葱はすぐに戻った。 「帰莢……」 少年はすでに肉塊と化していた。 そして、帰莢の息もすでになく、浅葱はただ膝から崩れ落ちた。 浅葱は、それ以来、町から町へと放浪する日々を始めた。 ・ ・ ・ それが、草月らが知る、浅葱の業であった。 数珠 刹那/浅葱の祖父/名の知れた剣客であり医者 刹那と旧知の仲であったもので、浅葱のことを知らぬものはいない。 しかし、刹那に子がいたという話を知っているものは誰もいない。だが、そういうこともあるだろう、とそれを不審に思うものもいなかった。 なぜなら、刹那は好色家であった。刹那は色男であり、常に女性を側に侍らせていた。 代わる代わる女を抱き、女の嫉妬を買い、そのために友人の家にずらかりこんでは、昨晩の情事について語り出すのであった。 とは言っても、刹那は女を暴力で屈させたことは一度もなかった。刹那は一度抱いた女は最後まで目をかけたし、また、言い寄ってくれば誰でも何度でも何晩でも何人でも抱いた。何十年とそんなことを繰り返してきた。 旧知の仲であった草月など、娘を嫁がせるという時期にあっても。 それが刹那のすごいところでもあったが。 しかし、それ以上に、刹那は強かった。刹那の友は、そのあまりの強さに、普段の情けの無い姿を見ても、刹那を見限ることはしなかった。なにせ、剣客であるにもかかわらず、素手でもって郎党何百人を相手に大立ち回りをしたというのだから、本分である刀を持たせれば敵はいなかった。 そんな訳で、刹那がある日突然、浅葱をという孫を連れて歩くようになっても誰一人不思議に思わなかった。 むしろ良い傾向だと友人たちは暖かく見守っていた。すでに五十歳 それに、浅葱は目が見えない。誰かが連れて歩かなければならなかった。 いつまでも若々しく枯れることのない刹那に対して、浅葱はまるで老人のような気性の子どもであった。 刹那が連れ出さなければ、一日中庭を眺めているようなこともあった。 そんなこともあり、刹那の友人たちは妙な節介を焼いて、浅葱に刹那の剣術を覚えさせようとした。 しかし、浅葱の剣術はすでに浅葱の剣術として一定のレベルに達していたことと、刹那の「猿真似させんのは趣味じゃねえ」という言葉で、目論見は失敗に終わる。 ・ ・ ・ 「今日はすまねえな」 刹那は、お猪口に口をつけた。 「ある意味、驚いたよ。まさか、あんたが孫を連れてくるなんてね」 女性は遠い目で微笑む。 「なぁに、俺も見た目相応、歳を取ったってことさ」 「何を今さら。まだまだ現役のつもりのくせに」 刹那と、女性は互いに顔を見合わせ笑い合う。 女性の名はユウナと言う。刹那とは幼馴染であり、五十年来の仲である。 「浅葱。ちょっと向こうの姉ちゃんと遊んでてくれねえかい? このお姉さんとお話があんだよ」 刹那がそう言うと、浅葱は小さく頷き、控えていた女性と共に、部屋の外へと出た。 「いくらなんでもお姉さんはないだろ。お世辞を言ってもらって喜ぶ歳でもないよ」 「へへ、俺の目にはいまでも、おめえはあの頃のまま変わらねえよ」 「はいはい。で、今日は何のようだい? まさか、本当にあの頃のようにってつもりでもないだろう?」 「まぁ、俺はそれでも構わねえんだけどなぁ」 ユウナは目を伏せ、寂しそうに笑った。二人の間に沈黙が流れた。 刹那は気まずそうに頭をかきながら言った。 「ま、おめえとは一番付き合いが長えからな、挨拶くらいと思ってよ」 「挨拶?」 ユウナは怪訝な顔をする。 「そんな畏まって、あんたらしくないね」 「もう、長くねえんだよ」 「何を言って……」 「冗談じゃねえんだよ。俺は死ぬ。分かるんだよ。死期ってのかな。最近、妙に体の調子が悪ぃしな」 「医者には、見せたのかい?」 「必要あるか?」 「……」 「一つ、頼みがある」 「なんだい?」 「浅葱のことを頼みたい」 刹那は、改まったように向き直り、ユウナに深く頭を下げた。 「……いったい、何のつもりだい?」 「俺は、このまま姿を晦まつもりだ。だから、お前に浅葱を頼みたい」 「……そんなことを訊いてんじゃないよ。」 「いきなり、孫なんか連れて歩きだして、しかも浅葱って……」 「そりゃ、あいつは浅葱だからな」 「あんた、歳取って耄碌したんじゃないの? あの子は死んだのよ。あの子の代わりなんかいやしない」 「代わりなんかじゃないさ。あれは浅葱だよ」 刹那はそう言ってお猪口に酒を注ぐ。 「もちろん、信じてもらおうなんて思っちゃいないさ。だけどな、あれは間違いなく浅葱だ。その魂は受け継いでるよ」 「あんたの口からそんなオカルトが出るなんてね……」 ユウナはやれやれと首を振った。 「だから、信じてもらおうとなんて思っちゃいないさ」 しばらくの沈黙。刹那が口を開く。 「で、答えはどうなんだ?」 「あんな得体の知れない子を二つ返事で預かれるほど、私はお人好しじゃないんでね」 「……そうか。すまねえな」 刹那は立ち上がる。 「どこ行くんだい」 「さっき行ったろ」 「あんた、本当に最低の父親だよ」 「……浅葱を頼むな」 刹那はそう言い残して、浅葱を置いて行方を晦ました。 行方を晦ます直前、刹那をたまたま見かけた友人が、彼に話しかけた。 刹那は「時間がねえんだ」と取り合わず、先を急いでしまったという。 もう一人のアサギ/女性/刹那とユウナの娘 刹那は、剣客として名が通ってはいたが、優秀な医者でもあり、名医と言われていた。しかし、横暴な発言が多かったため評判はよくなかった。 自ら犯した医療ミスでユウナとの間にできた一人娘であるアサギを亡くして以来、ユウナとも縁を切り、医者としての自分を捨てた。 刹那に娘がいたことを知るものはいない。その理由としては、正式に婚姻を結んでいなかったこと、挙式をあげなかったことなど多々ある。 だが、一番の理由は、二人が夫婦として共同生活をしていた期間がなかったことがあげられる。 ユウナは、刹那との間に娘ができたことを話さなかった。 アサギは十四年間、父親の存在を母から知らされすに過ごしてきた。しかし、病にかかり、その治療が難しいことが分かり、ユウナに「お父さんに会いたい」と話す。アサギは、自分の父親のことをユウナに内緒ですでに調べており、父が刹那であることを知っていた。 そして、刹那が優秀な医者であることも。アサギはユウナに自分の治療を、刹那にしてもらいたいと願う。しかし、アサギも、女性がらみで節操のない刹那に対して、自分が実の娘であることを明かすのは躊躇れられた。 結果、自身が娘であることを隠してアサギは刹那に依頼する。 刹那はそれを知らず、アサギに「分かってると思うけどな。さすがの俺でもお前の病気を確実に治すのは無理だ。まぁ、できて5%ってとこか」と発言する。 傷つくユウナを尻目に、さらに多額の医療費を要求する刹那に、ユウナは怒りを露にする。しかし、そのユウナが刹那にとって、以前に何度も抱いた女であったため、「一度抱いた女は身内も同然」と発言し、治療費は無料でいいと言い出す。 アサギはその発言に引く。そして、刹那の娘は、「医療費はきちんとした額できちんと払います」と強情を張ってしまうことになる。 ・ ・ ・ アサギは苛立っていた。 「不潔」 刹那はその言葉に目を丸くした。 「おまえ、まさか処女か?」 そう口に出す刹那にアサギは顔を赤くし、大声で叫ぶ。 「うるさいな!」 刹那は激昂するアサギの手首をそっと掴み、その肩に手を回した。 「悪かったな。けど、そう怒るなよ。今から、俺が手ほどきしてやるから」 アサギはぽかーんと、刹那のその言葉に口を開けていた。刹那の指がそっとアサギの頬に触れる。そして、無駄のない動きで、刹那の唇がアサギの唇に接近した。それがまさに触れんとしたとき、 「ほんっとあんたってサイテイ!! キモイ! 気持ち悪い! あっちいけ!!」 アサギは両手で、刹那の胸板を押しのけた。そして、手近なものを掴むと、次々と刹那にそれを投げつけていく。ペンの先が、刹那の頭に突き刺さり、血が吹き出る。 それでもアサギは、投げる手をやめず、刹那を部屋から追い出した。 「いったい、何だってんだよ」 刹那は頭をさすりながら、ユウナの隣に座った。 「あんたが悪いんだよ」 「まぁ、多分そうなんだろうな。けど、ああいう女も中々、こう、いいもんだな」 ユウナはため息を吐いた。 「いいかげんにしとくれよ」 「ん? なんだ、嫉妬なんてお前らしくもない」 「……ほんっと、あんたは変わんないよ。昔から」 悲しそうな目をするユウナに対して、刹那は笑う。 「俺から言わせりゃ、みんな変わりすぎさ」 「……あんたからすれば、そう見えるのかもね」 刹那はユウナの手の甲に自分の手の平を重ねる。そして、もう片方の手で、そっとユウナの顔を自分の方へ向けると、そのまま無言で、唇を重ねようとした。 それをユウナは顔を逸らして避ける。 「そういう気分じゃないんだよ」 刹那はユウナから手を離し、首を傾げた。 「……分からねえなあ」 「あんたは無神経すぎるんだよ」 「それが俺だからな」 刹那は笑った。 「失敗だよ」 刹那は笑った。泣きじゃくるユウナに対して、刹那は頭を撫でた。 「期待させて悪いことしたな」 そして、そっと抱き寄せる。しかし、ユウナは、それを突き返した。 「ふざけんな!」 「……不謹慎だったか?」 そう問いかける刹那に対して、ユウナはわなわなと震えた。そして、無言で出て行った。 アサギが目覚めると、そこにはユウナがいた。 ユウナは膝を突き、アサギと視線を合わせた。 「……おはよう。アサギ」 「ダメだったのね」 「……」 ユウナは答えられなかった。 「覚悟はしてたからいいの」 「ごめんなさい」 ユウナは謝る。 「何を?」 「……」 「パパのこと? パパのことは仕方ないわ。私がママに、どうせ無理ならパパに治療してもらいたいって言ったんだから。それとも、ママは私を産んだことを後悔してるの?」 「そんなこと! そんなことない……!!」 「なら、もういいの。もう、いいから。だから、ママ、もう泣かないで」 「アサギ……」 ユウナはそっとアサギを抱き寄せた。そのときだった。 「どういうことだよ」 突如、刹那がドアを開けて入ってくる。 「どういうことだよ……!」 「どうもこうもないわ」 ユウナが立ち上がり、刹那に詰め寄る。 「ママ……」 「もう出て行くわ。あんたの顔なんか二度と見たくない」 「おい、説明してくれよ……!」 「分からない? あんたと話すことなんてないって言ってるの」 刹那は悲愴な面持ちで、アサギに視線を移す。 アサギはユウナの袖を引っ張る。 「ママ、刹那をあまり邪険にしないであげて。刹那も最善を尽くしてくれたんだよ」 「……アサギ」 ――刹那。 その呼び方の違いに、刹那はアサギとの間の埋められない時間を感じた。 「ねえ、刹那。刹那はママのこと好き?」 アサギはある日刹那にそう尋ねた。 「もちろん、好きだよ。当たり前だろ」 刹那はそう答える。 刹那は言えないでいた。先の手術の際にくだらないミスを犯してしまい、それが原因で手術が失敗してしまったことを。 誰にも言えないでいた。 「ならさ、どうして刹那は、節操がないの?」 刹那は答えに困った。そんなことに今まで疑問など抱いたことがない。 「さぁ、どうしてだろうな」 「自分のことなのに分からないの?」 「自分のことだからこそ、あまり意識したことないな」 「じゃあ、ポリシーとか、そういうもんでもないんだ?」 刹那は考えてみるが、ポリシーなどと言う大それたものではない。 特にそういうことを意識せずに過ごして来た結果が、現状であると思っている。 だが、刹那はこの話の流れを考えるに、それを素直に言うのをためらわれた。 しかし、刹那には負い目がある。 「どうなの?」 刹那は思わず言ってしまう。 「そういうのじゃないと、思う……」 「そうなんだ。ならさ、私のパパになってくれない?」 「パパ?」 自分はすでに父親だと思っていた刹那は面食らった。 「そう、パパ。ママだけを愛してあげて欲しいの。そうしたら、刹那のこと許してあげるよ」 「許す?」 刹那はドキリとした。アサギはにやりと笑う。 「私の病気のことは私が一番知ってるよ。刹那、医療ミスしたでしょ? 私の手術」 「す、すまない!」 刹那は頭を下げた。それを見て、アサギは笑いをこらえた。 「ふふ、鎌をかけたんだよ。こんなあっさり行くとは思わなかった」 刹那は呆然とアサギを見ていた。 「まぁ、まだこうして話ができていることから、今回だけは刹那くんにチャンスを与えよう」 アサギは尊大な態度で言った。 しかし、すぐに態度を改めた。そして寂しそうに言う。 「さっきみたいな無茶な話じゃないよ。そもそも、刹那みたいな人が、パパになれるわけないんだよね」 刹那はすぐさま否定しようとしたが、それを否定する言葉を持ち合わせていなかった。 「でね。私、悪い子だからね。最後にわがままを言おうと思うの」 アサギはパッと笑った。 「わがまま?」 刹那は聞き返す。 「私ね、ママの結婚式姿が見たいの。だから、その相手役になってよ」 「……」 「ママはね。刹那の目にはどう見えてるか分からないけど、すごく嫉妬深いんだよ。それでね、すごく真面目なの。お腹の中に私がいるのを知ったときだって、きっと刹那にそれを言いたかったと思うよ。でも、刹那はそんなでしょ? だから、ママは一人で育てるって決めたんだよ」 「だからと言って、今さら」 ユウナが、そんなことを望むはずがない。刹那はそう思った。 「分かってないなあ! だから、私のわがままなんだよ。私の自己満足のために二人は協力すればいいの!」 すぐに刹那は返事ができなかった。すると、アサギはじれったそうに声を上げた。 「もう! 分かってないな。後は、刹那がOKしてくれればいいんだよ!」 「ユウナが?」 「ママって以外とロマンチストなんだよ。長い付き合いみたいなのに気づかなかった?」 刹那は自分が恥ずかしく思えた。 「で、もちろん、協力してくれるでしょ?」 しかし、刹那はまだ何と答えていいかわからなかった。 今まで、挙式をあげて欲しいと、何人もの女性に泣きつかれ、刹那はその度に逃げ出してきた。 どこまでも尽くしてくれた女が、どれほど懇願しようと刹那はそうしてきた。それが、自分と関わる全ての女に対しての、刹那なりのけじめでもあった。それを考えると、そればかりは、覚悟を容易に決めることが刹那にはできなかった。 しかし先の話もあり、アサギは刹那のその沈黙を肯定と受け取ったらしく、笑顔を輝かせた。 「じゃあ、約束だよ! 絶対ね!」 楽しそうに式の段取りなどを話す、アサギを見て、刹那は自分の決心が未だにつかないことなど言えはしなかった。 相槌をうちながら、時間が欲しいと切り出すタイミングを見計らったが、とうとう、そのタイミングはつかめなかった。 刹那は後にこの事を後悔することになる。 アサギは、病の身でありながら、人前でその苦しさを表に出すことが決してなかった。 それゆえに、刹那はアサギが、自分のミスのために、いつ亡くなってもおかしくない状態であるということを忘れていた。 いや、アサギのその強さに甘えていた。 そして、挙式の日、刹那は行方を晦ました。しかし、ちょうどその日は、台風が重なったため、式は中止となった。 その翌日になって、アサギの様態は急変し、そのまま近くの病院で息を引き取った。 刹那が駆けつけたとき、アサギの葬儀は終わっていた。 アサギの遺言で、ユウナは刹那を表面的には許したが、その心の内には深い溝ができた。 刹那はそれから数年の後、消息を絶つ。 再び刹那が友人らの前に現れたとき、彼の傍らには「浅葱」がいた。 闇との性交/浅葱に関する根も葉もない噂の一つ?/この噂に根拠はない 刹那はアサギを蘇らせる方法を探していた。 中途半端な生ではなく、完全な生をアサギに与えたかった。 それが自分にできる唯一の罪滅ぼしだと刹那は考えた。 刹那は探した。 何年も何年も探し続けた。 そして、ある洞穴の奥深くで、あるものを見つける。 刹那はアサギの墓を暴き、その骨をあるものに捧げた。 そして、その仄暗い闇の中で、刹那は、アサギの魂を移した名状しがたい何かと契る。 刹那は気が狂いそうになりながらも、アサギへの罪悪感と、気づかぬうちに娘に抱いていた劣情を糧に、なんとか正気のようなものを維持し続ける。 だが、自分が自分でないものに取って代わられていく恐怖によって、刹那の精神は日に日に蝕まれていった。 浅葱が、それより生まれたときは刹那は、すでに正気とは言いがたい状態だった。 その後、その洞穴を出て、麓の村で浅葱を育てていた刹那だが、十年目にとうとう限界が生じ、村人を殺してしまう。 浅葱にはそれを隠し、村から出、かつての友人らの元へと姿を現す刹那。正気である振りをしながら、かつての友人らに浅葱を孫と紹介して回った。 しかし、すでに刹那の肉体jは異形と化しており、正気の振りをし続けるのにも限界が生じた。 ゆえに刹那は浅葱をユウナに預け、そのまま自ら命を絶った。
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483氏 ドウガネブイブイ 393氏 題名不明(遺書ネタ) 364氏 題名不明(ファザコンじゃないLAS娘・ちょいエロ) 333氏 碇ミライ 284氏 題名不明(父の日ネタ) 135氏 二回目のプロポーズ 241氏 【アスカとミサトの茶飲み話】 227氏 Tea for Two(くらやみのきみmix) 249氏 『雨、降り出した後』 【巣立ち】 199氏 nono氏? 二人だけの結婚式 /nono 111氏 題名不明(誤爆ついでに) 103氏 題名不明(ホワイトデーネタ) 67氏 題名不明(バレンタインネタ) 51氏 題名不明(ファミコンネタ) 249氏 ? 今日のシンジ(アスカ目線)11 今日のシンジ(ゲンドウ目線) 今日のシンジ(アスカ目線)12 今日のシンジ(アスカ目線)13 今日のシンジ(ゲンドウ目線)2 今日はシンジの誕生日(アスカ目線)
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オリカ、デッキレシピ、SSの投稿諸注意 このページでは、遊戯王のオリカ、オリカを使用したデッキレシピ、二次創作小説・SSの投稿に際しての注意をそれぞれにまとめてあります。 オリカ、デッキレシピ、SSの投稿諸注意 作者ページ 遊戯王オリカ オリカを使用したデッキレシピ 二次創作小説・SS 作者ページ このサイトで創作活動を行うに当たって、 作者ページの作成が必須です。 さらに作者ページを上げる場合、 必ず何か創作物を1つは載せて上げてください。創作物だけ上げる行為は禁止です。 遊戯王オリカ OCGにはないオリジナルのカードを制作する場合です。 まず、ページ名は《》で囲ってください。 例:《セレクテルの戦士》 ページ内には作者ページへのリンクを貼っていただけると助かります。 ページ内のテキストは、文の前に「 」(半角スペース)を入れてください。 なるべく、遊戯王wikiの表記に沿うようお願いします。例:数字は半角など オリカを使用したデッキレシピ 作成したオリカを投入したデッキレシピの公開をする場合です。 デッキレシピは「(作者名):デッキレシピ」という専用のページを作成し、そこに記載するようにしてください。 オリカはリンクを貼っていただけると助かります。 OCGのカードをデッキに加えることも自由です。 自分以外が作成したオリカを使用する場合、当然ながら無断での使用は禁止です。自分の作成したオリカページ内にデッキへの投入を許可する文を入れても構いません。 二次創作小説・SS 二次創作の遊戯王小説、SSを投稿する場合です。 ページ名は「◎(SSのタイトル)」と表記してください。 当然ながら、遊戯王と全くの無関係な作品の投稿はNGです。 アニメや漫画に登場したキャラクターを登場させても構いません。 必ずある程度終わった状態での投稿をお願いします。途中の状態で投稿し、後から少しづつ増やしていくのも禁止です。短すぎるのもNGです。 第一章、など区切りになっている物は例外です。ただし一区切りもある程度の長さでお願いします。
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医療周辺の点景SS od@ヲチ藩国 シオ見て小隊をはじめとした臨時医療班が忙しく立ち働く本陣を少し離れて、 そぞろ歩く二つの人影があった。 「そろそろ、結果が出ますね」 「さようでございますな」 ACEユニット、海法紀光とミュンヒハウゼンであった。 海法紀光といえば、音に聞こゆる共和国の軍神である。 今回レムーリア派遣軍の総司令を務める土場藩王あさぎに、 わんわん帝國単独での戦いを助言したのが彼であった。 犬限定縛りの中参戦は五分五分と予測されていたが、 ダイスの勝利で本陣への出現に成功している。 もっとも召喚に成功した人物は目下藩王ごと死亡しており、 同時に召喚されたミュンヒハウゼンともども 時間切れによるゲームからの除去を待つ身ではあった。 「あちらが成功しなければ」 と時計を覗き込む海法。 「我々の介入もここまで、時間切れです」 「ふむ、短い介入でございました」 「いや僕はまだ共和国にアイドレスがありますけどね」 医療班の方から、なにごとか叫び声が聞こえる。 ここからでは、悲鳴か歓声かわからなかった。 「しかしまあ、これなら」 と、空を仰ぎ見る海法。 雲はすでに円を描くようにおしのけられており、 そこから大量の加護がふりそそぎはじめているのが二人には見えた。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 モモ@たけきの藩国 ニューワールド全土からかきあつめられた大量の応援が、 リンクゲートを通じてこのレムーリアに届き始めている。 元来医療系アイドレスをもたない帝國からの応援に混じって、 共和国の医療系アイドレス着用者からの助言がいくつも見えた。 「成功しそうでございますな」 「時間切れは、気にしなくていいようですね。……すると、再戦かー」 うーんと頭を抱える海法。 「まずは、茜くんと相談かなあ。補給もなんとかしないと」 また声の上がる本陣へと戻っていく二人。 今度は、確かに歓声のようだった。 90707002 わんわん帝國参謀本部にて 風杜神奈@暁の円卓 少し肌寒い陽気の中、参謀本部にて時雨はその報を聞いた。 緑オーマとの戦い。凄絶な戦場。 「あとすこしなんだよ!こんな所で滅亡とか、冗談じゃないよ!どうか生き返って!」 叫ぶように祈りを捧げる。 待つというのはこんなにもつらいものなのか。 同時刻。FVBにて。 きみこ「あんなに頑張った人たちを、お願いだから助けてください!」 悲痛な祈りはここにもあった。 同時刻。伏見藩国にて。 助清@伏見藩国「竹戸さん!寿々乃さん!りあらりんさん!霞月さん!ていわいさん!こんこさん!」 名前を連呼するほどに言葉にならない祈りがあふれる。 一方、遠くにゃんにゃん共和国でもさらに辺境にあたるこの国でも祈りが捧げられていた。 歩露も猫ではあったが、犬のために祈りを捧げる度量があった。 「絶対に死んではだめです! まだ何も終わっていません! あなたたちの力が、まだ必要なんです!」 同時刻。リワマヒ国にて。 平 祥子@「まだやらなきゃいけないことがいっぱいありますよ、生きて!」 ここにも一人。 同時刻。紅葉国にて。 神室想真「まだまだやらなければならないことは残っているはずだ!」 む~む~「みんなを守って、それで終わらないで。生きて戻ってきて!」 アルバート・ヴィンセント・ログマン「いろんな声が聞こえませんか? みんな貴方の帰りを待っています」 三人もの声援が。 同時刻。無名騎士藩国にて キギ「シオネの守り手たちに加護を。」 またも一人。 ぽつぽつと声援が増えていく。それはアイドレスの最強を目覚めさせる合図。 「数は力なり」 同時刻。レムーリア、医療班の結果を待ちながら。 つきやままつり「ここはまだ戦場だけど! 戻ってきなさい!」 ……幾重もの祈りが折り重なり、そこにあった。 これが治療の後押しになることを祈るばかりである。 調薬SS 助清@伏見藩国 深い傷を負った患者を目の前にして、足がすくんだ。 「動悸が弱い……強心剤の調薬、頼む!」 「は、はいっ!」 拾ってきたセイヨウサンザシを、震える手で摩り下ろす。 疲労だけではない。今、命を、それも大事な人の命を取り扱っているのだ。 「クソッ、体が大分冷えてる……シナモンのお湯も頼む。少しで良い」 少しってどのくらいだ? 演習で散々やって、解りきっていた筈なのに頭はパニックを起こした。 「あわ、あわわ……」 そんな、慌てる私の腕を、誰かがグッと掴んだ。 「………だ、ぃじょうぶ」 「そんな、じっとしてて下さい!」 「しんじ……君、ちならできる―…」 息も絶え絶えな患者。 その人が、私を励ましてくれていた。 全く。何と情けないのだろう。 助ける方が、助けられるなんて。 感謝の言葉を紡ぐ余裕も無かった私は、代わりにその人の手を握った。 あたたかい。人の温度。いきている証。 このぬくもりを、ただの冷たい肉の塊にするのなんて、どうしても御免だった。 「よし!」 シナモンの投与は少量づつ。丸暗記した医療書にあった通りの少量で良い。 朝鮮人参による血圧上昇には、輸血を併用する。 精神安定にはトケイソウ――― 大丈夫。何一つ忘れちゃいない。 私は、私の大事な仲間を助ける為に全力を以って調薬をし、 適切に用いて、助けられるだけ、否、全ての人を助けてみせる。 奇跡が必要だと言うのなら、起こすだけの事。 それが、できる。 なぜだろうか。 根拠は無いのに、妙な自信が漲っていた。 調剤SS(「医薬品が不足? 槙昌福@立案副長 「医薬品が足りない?」 「強度の重傷者用に足りない訳じゃないんですが、比較的軽いものに対しては。まぁ・・・なんせ数が多くて」 「無ければ、作りなさい。ここでも使えるように、予備に薬草を積んできてあるし、湯煎になんかで簡単に処方できるようにしてあるから」 「いぃ!?今ですか?」 「今でなくて、いつするの?さぁ、これリスト。急いで!」 「外傷にはコバノトネリコに、芍薬。精神安定剤には甘草。鎮痛剤にナツメの仁に・トケイソウを煎じたもの・・・・消毒薬、麻酔薬にモルト酒、強心剤にジキタリス?また前時代的なというか・・・」 「古くても、いい物はいいし、効く物は効くの。御託はいいから、さっさと作る!あぁ、そこの貴方、この患者の出血が酷いの。アカヤジオウの根を準備して」 「了解です!」 「ふぅ、古代の英知に感謝ね・・・・ん?なにしてるの!さっさと動く」 「は、はい!」 薬品の不足は、こうして蓄積された技術と経験により補われていた。 医療SS えるむ@都築藩国わかば 戦況芳しくない戦場の夜は、ともすれば望みを手放してしまいそうな自分との勝負の場所でもある。 陽が落ちて薄暗くなったその戦場の片隅で、疲れた顔の女性兵士たちが集まり始めていた。みな一様にほこりにまみれてはいても、その瞳はまだ、静かで力強い希望を宿して未来を見据えていた。 その内の一人が立ち上がって、集まった者たちに話し始めた。乏しい灯りに照らされたその横顔の中で、強い意志をたたえた瞳が、光を放つ。 「まだ戦いは終わっていない。私たちも出来るだけのことをしよう。医療技術は無くても、お手伝いをすることは出来るわね。」 「まず、水を。それから、煮沸消毒のための火を。包帯や添え木になるようなものは、出来るだけ清潔なものを集めて。今は、物資が…。」 故郷を遠くはなれ、ゲートを超えて未知の世界に飛び込んだ以上、苦しい戦いになるであろうことは誰もが最初から承知していた筈だった。限られた時間で整えられた準備、かき集められた物資が潤沢であるなどとは望むべくもない。それでも、誰もが自分の想いと大切な何かを守ろうと全力を尽くし、だからこそ辛うじてここまでたどり着くことが出来た、それが真実の全てだった。 「…物資が乏しいのは、今はどうしようもない。安全ピンでも、ソーイングセットでも、使えるものがあったら活用して。体力が落ちてると、傷が浅くても感染症だけでやられるの。消毒薬が少ないのは、小まめに洗って代用するしかないわ。もし薬草の知識がある人がいたら、みんなで手分けして集めましょう。ついでに食料になりそうなものは、何でもかき集めたらいいわ。食べないと、元気出ないものね。」 近くに横たわっていた軽傷の兵たちから、バトル・ナースかよ、と投遣りな野次が飛ぶのを、彼女はにっこり笑って切り返した。 「それだけ元気があったら、体力余ってしょうがないでしょう。特別に私たちでこき使ってあげるから楽しみしてて。そうだ、さっき林檎みたいな赤い木の実を見つけたのよ。最初の仕事は毒見役ね。お腹壊したら、藩王さま並みにおもてなししてあげるわ。」 力の無い、それでも確かに笑いをもらす気配が、さざなみのように周囲に広がっていく。絶望は緩やかに押しのけられ、もう一度希望が、その翼を広げて飛び立とうとしていた。 「私たちが挫けなかったら、この場所で持ちこたえたら、この戦い敗けにはならない。そのために、私たちひとりひとりが、今、自分に出来ることをしましょう。」 立派な勲章とも、人々の賞賛の声とも縁のない、平凡で当たり前の、そしてだからこそ何よりも大切な戦いが、始まろうとしていた。 * 槙昌福@立案副長 荒野は見渡す限り、敵味方の屍で埋まっていた。 見方の表情は乱戦を経て疲れきっており、誰もかれもが泥と血と汚物にまみれ、生気を抜かれたような表情をして黙り込んでいる。 (ちきしょう。ちきしょう、なんで、こんな・・・。 『なにしてるの!!!!』 静寂を破ったのは、力強い声であった。 「あんた達、未だ戦いは終わってないわ!」 むくろのような眼が、その声の主に注がれる 「何呆けてるのよ!そこのアンタ!要救助者のリストアップ!後ろの野郎どもは要救助者を見つけてアタシのところまで運んできなさい!」 (え?俺? 呆ける私に彼女は言う。 「未だ終わってないのよ。終わらせるものですか・・・お願い、急いで」 消え入りそうなその声に、私は自らの役目を、その意義を思い出した ―――風が、吹いた。 『よっし、野郎ども!要救助者を探せ!息のあるなし関係なくだ!指一本でも見落とすな!』 そして、広がる 『おお!』 『任せとけ!』 「ヲチ藩国、暁の円卓、神聖巫同盟、え~藩国、よんた藩国、土場藩国の人員が不明との連絡。リスト化します」 場は沸きかえり、みなが懸命に働きだす。 今ここに、もうひとつの戦いが始まった。 命を懸けた その戦いが。 装備転用SS(担架、包帯等) 助清@伏見藩国 なんてこった。 私は首を捻った。 患者を無闇に動かさないのは緊急医療の鉄則だと言うのに。 これでは、おぶって行かなければならない。 「……剣を、折りましょう。旗に、包みましょう。担架にしましょう」 「でも、それは戦士の魂じゃないですか……それを、折るなんて」 「けど!」 彼女が、珍しく必死の形相で叫ぶ。 「誇りとか、魂とか、男の人はいつだってそんな下らない事言いますけど! そもそも、死んじゃったら意味が無いじゃないですか!」 「………」 目には、涙が溜まっている。 きっと、倒れて傷ついている者の中には、友人も少なくないのだろう。 「生きてれば、死ななければ……だって、死んじゃうなんて……」 そうだ。 我々は拳法家だけれど。 今は、医者であるつもりだ。 「死ななければ……」 顔を上げる。 辛い事だ、戦士の魂を砕くのは。 だからこそ、リーダーを任された自分が決断を下さねばならない。 「死ななければ、生きれば明日に繋がる。明日に繋がれば、誇りと魂は取り戻せる――」 そう。 そもそもが。共和国に依存し過ぎた帝国のプライドを取り戻す戦い。 破れ、死に逝き、滅んでしまえばそれこそ帝国の心は折れてしまうだろう。 「武器、防具、装備。可能なら全てを臨時の医療器具となるよう転用しろ! 剣は焼けば殺菌されたメスになる!衣服、旗は包帯と担架に!」 それは、心苦しい選択だ。 けれど、決して間違ってないと。 誰が何と言おうと、胸を張って言ってみせる。 ただ、倒れた彼等に言い訳する為に。 なんとしても、全員治療成功と言う、結果が欲しいとは思った。 医療SS 猫屋敷兄猫@ナニワアームズ商藩国 「くっそー!出血が止まらねぇっ!」 「止まらねぇ…じゃねぇ!止めるんだよっ!」 戦場に怒号が響く。 先ほどの戦闘で部隊は大打撃を受けていた。 このままでは、多くの藩国が滅亡するほどの大打撃だ。 戦闘によってアラダ覚醒した者も現れたが、その者まで倒された。 普通に考えたら大敗…絶望的状況である。 しかし、まだ諦めきれない者たちが…いた。 たけきの藩国の”シオネの守り手”の面々である。 「1人だって死なすかよぉ…死なせてたまるか!」 普段は見せないような怒りの声。 誰に対して? この状況を作り出した敵? 仲間を救えない自分? 「まだよ、まだまだ。」 「私たちの”力”は人を救うためにあるんだからー。」 互いに声をかけあってテンションをあげていく面々。 「大丈夫ですか?意識は?」 「…う……あ……。」 戦傷者の顔が苦痛に歪む。 「大丈夫、絶対たすけるから。」 「頑張って。」 傷ついた者に優しく声をかけながらも治療は続ける。 苦しいからこそメンタルのケアも大事なのだ。 絶望の暗い影が、その心を呑み込もうとするのに必死で耐える。 危機的状況だからこそ、絶望的状況だからこそ、 本当に大切なものが見えてくる時もある。 今が…その時だ! 傷つけるよりも治すほうが何倍も難しい。 彼ら、彼女らは、その心に浮かぶ光に祈る。願う。 シオネ・アラダの守り手たるは何か? どんな者も見捨てない事だ。そのための力だ。 そう。 絶望の闇の中でこそ、希望の光は輝きを増すのである。
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投票方法 このページではwikiに公開された試合SSの投票方法について説明します。 投票はプレイヤーとして参加しているか否かを問わず、どなたでも可能です。 基準は「どちらがより面白いか」ということのみです。 何をもって面白いとするかは各々の投票者の価値観によるものとします。 キャラクター設定だけでなく、勝ち残ったSSもゲーム内での正史として扱われ、そこで追加された設定も公式のものとなります。そのため、2回戦以降の試合SSを読む場合、お時間が許すならばできるだけ前のSSにも目を通していただけると幸いです。(必須ではありません) また、SSが長すぎたり難解すぎるなどの場合は途中で読むのをやめて投票に参加していただいても構いません。 参加しているプレイヤーは自分自身の試合には投票することができません。 多重投票はご遠慮ください。 また、今回のゲームは主旨として『面白いお話が勝つ』『面白さ絶対主義』『得票数が正義』という考えを掲げています。そのため、面白ければゲーム内の設定を無視したお話であっても問題ありません。「面白かったけどお題を考えると……」などといった消去法の判断は必要ありません。純粋に、より面白かったSSに投票しましょう。 以上をご確認の上、試合SS公開ページよりSSをご覧になり、どうぞ気軽に投票していってください。 投票結果・勝者判定 読者からの得票数が多いSSを勝ちとします。 万が一投票が同数だった場合、先に投稿したプレイヤーの勝利となります。 ただし、投稿されたSSが投稿期間を超過していた(遅刻して投稿されていた)場合、そのSSは失格となり、得票数に関係なく負けとなります。 万が一、対戦者全員がSS投稿に遅刻した場合、その試合の勝者は無しとなります。 失格となったSSの得票数は公開されませんので、遅刻には十分に注意しましょう。 あなたの一票で勝負を決めよう! 以上でゲームシステムの説明は終わりです ここまでの説明を読んでわからない点や気になった点がありましたらQ&Aをご確認ください。 それでも疑問が解決しない場合、SS3スレッドへ気軽に質問を書きこんでください。
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希望崎SS 『ミズを使いすぎるな』 【岸間直嶺プロローグ「リボン」】 大矢モニアプロローグSS『イミテイション』 『私の居るない場所』 無題 死にたい人にお薦めの危険な学校鳥取砂丘高校 上毛茜プロローグSS 『ミズを使いすぎるな』 「水が鳥取に無い!おれのところに回ってこない!昨日おれは理由を知った!希望崎の水使いの奴が!水を使い過ぎる!」 「マワッテコナイ!ミズガコナイ!」 「コナイ!コナイ!ミズガコナイ!」 「ミズを使いすぎるな!」 「ミズを使いすぎるな!」 「ミズを、使いすぎるな!」 【岸間直嶺プロローグ「リボン」】 あの日、たまたま俺の鞄の中に入っていた黒いリボン。 あの日、君に渡すはずだった忘れ物。 何もかもが津波に流されて、手の中に残った物は一本のリボンだけだった。 長く伸びた髪を後ろで束ねて、君のリボンでひとつに束ねる。 一目見れば女物と判るが、幸い希望崎にはもっと珍妙な奴は山ほど居る。 ちょっとした服装倒錯にも寛容な、この学園の空気は割と気に入っている。 ああ。俺は過去に縛られている。 取り返しのつかないことを嘆いても意味がないことは知っている。 世界を呪って。魔人となって。暴れ回った愚かなフェイズはもう終了した。 だが、過去を切り離し、君を忘れてしまえる程ドライになれるわけもない。 だから、俺は伝える。 津波の恐怖を。無慈悲な破滅の奔流を。災害への備えの大切さを。 そして、俺の《緊急小津波警報》が誰かの命を救うきっかけになったなら。 君の死も、結果としてプラスになるんじゃないかと思う。 このリボンは、未練ではなく“誓い”なんだ。 そんなわけで、可愛い子がいたら、遠慮なくまた恋するつもりだから悪く思うなよ。 いや、実はもう、ちょっと気になる奴はいるんだ。 そいつは―― 大矢モニアプロローグSS『イミテイション』 その日、兄さんは死んだ。 そもそもの原因は私がプールで溺れてしまったことだった。 自分の不注意が原因だった。両親からもあそこは危険だから近づくなと言われていたのに。 プールサイドにいた兄は私を助けようとして、プールに飛び込んだ。 だがその結果、今度は兄が溺れてしまったのだ。 私があんなことをしなければ兄は今もそこにいたのに。 家に戻ったあともみなが自分を責めているようで辛かった。 大矢コンツェルンの後継者である兄よりも自分が死ねばよかったと言われているようで。 けれどきっとそれはただの被害妄想だったのだ。 家族は私に優しかったのだから。でも、私にはその優しさが辛くて―― だから私は長く伸ばしていた髪を切った。言葉遣いも変えた。服装も部屋も何もかもすべて変えてしまった。 兄さんになりたかった。 自分のせいで死んでしまった兄さんになって自分を殺してしまいたかった。 けれど、そんなことはできないと僕はわかっていたのだ―― ―――― 「夢か…」 窓から差し込む光を浴びて、大矢モニアは目を覚ました。 今もあの頃のことは夢に見る。何度も繰り返される悪夢。 忘れてしまうことなどできない。 大切な兄を自分のせいで殺してしまったのだから。 「そろそろ学校の準備の時間だな」 時計を確認し、パジャマを脱ぐと、クローゼットの中から学生服を取り出しそれに着替える。 男性的な服装に男性的な口調。 それはあの日から続けてきた習慣。兄になりたくて。 けれど、それはただの偽物に過ぎない。そんなことは自分でもわかっていた。 でもすでに身体に染み付いてしまった。 今更変えられないだろう。 イミテーションゴールド。 他者のコピーを生み出す彼女の魔人能力。 だが、それはすべてを完璧には再現できない不完全なコピー。 まるで兄になりたくて、決してそうはなれない自分自身のようだと思う。 着替えが終わり部屋を出ると用意された食事を取り、いつものようにその日も学校に向かった。 『私の居るない場所』 遠くに行きたいな どこか遠くに行きたいな 私はここに居るけれど ここに私は居ない みんなのために何かをするのは好きだけど 自分のために何かをするのはちょっと苦手なの だからみんなの間に私は居るけど 私はどこにも居ないんだ ここは私の居るない場所 私をどこか遠くに連れてってくれる不思議なちからが溢れてる どこに行くのかな ちょっと怖いな でもみんなのためならば私は飛べる気がする ……みんなのため? 自分がやりたいことのはずなのに みんなのせいにしなきゃ何もできやしない やっぱり私はどこにも居ない 無題 ハルマゲドンに関しては俺も動く 抗議デモだよ 具体的には普段はいがみ合ってる各希望崎陣営と連絡を取り合い、短期の新希望崎を発足した 自分でも驚いたが、豪華なメンバーが集まった 当学園最大水使いのリーダー、幹部3人 水使いではないが最大派閥のNo2、No3 学園では有名な、小学生以来一度も喫煙したことがないというヘビースモーカー 戦闘部隊が四十四人いる上毛衆の一員 アキカン辞めて中二力カンストした奴 他に挙げたらきりが無いが、そうそうたるメンバーで総勢20人を超えた 狩れない鳥取はもはやいないだろうという最強集団だ ソロでShimaneを狩った奴もいる。 学園ではスズハラ機関、アキビン、斧部(俺含む)、一家などの超一流だ なによりも強いのは、全員鳥取でのハルマゲドンをぶっ通しで何日も可能だ。 リアル予定が・・・なんて奴は一人もいない はっきり言って、俺らが声を掛ければ学園のJKは半数以上が動くだろう 四天王の連中はらくだ、砂エルフにも顔が利く。奴らの中にもバンされた奴はいうだろう 協力して全員でハルマゲドンしたらさすがに黙ってられないだろう ちょっと顔なじみのGKに話つけてくるわ 死にたい人にお薦めの危険な学校鳥取砂丘高校 •らくだ上がりの8人なら大丈夫だろうと思っていたら同じような体格の20人に襲われた •ユースから徒歩1分の路上で穴洗がおしりから目をだして倒れていた •足元がぐにゃりとしたのでござをめくってみるとサボテンが転がっていた •眼鏡をした旅行者が襲撃され、目が覚めたら眼鏡が破壊されていた •砂泳で旅行者に突っ込んで倒れた、というか泳いだ後から荷物とかを強奪する •宿がニャン崎さんに襲撃され、女も「男も」全員猫にされた •タクシーからショッピングセンターまでの10mの間にメカワームに襲われた。 •バスに乗れば安全だろうと思ったら、バスの乗客が全員魔人蟻だった •魔人の1/3が八百長経験者。しかも接触者が金回りがよくなったという都市伝説から「貧乏人ほど危ない」 •「そんな危険なわけがない」といって出て行った旅行者が5分後キノコまみれで戻ってきた •「何も持たなければ襲われるわけがない」と手ぶらで出て行った旅行者が大切な想い出を盗まれ下着で戻ってきた •最近流行っている役は「門から手を出す役」 金属釘バットを手に持って悪党に殴りかかるから •鳥取砂丘高校から半径200mは人外にあう確率が150%。一度襲われてまた襲われる確率が50%の意味 •鳥取砂丘高校における亀甲縛りによる死亡者は1日平均120人、うち約20人が外国人旅行者。 上毛茜プロローグSS 20XX年某月某日。 都内に位置する私立希望崎学園は、その面積の大半を砂漠地帯が占める鳥取に転送された。原因は不明。 当時学園内に居た生徒も転送に巻き込まれる。 その中には潜入捜査をするために希望崎高校に入学していたグンマー人、上毛茜も含まれていた。 ◇◇◇ 「喉乾いたなぁ……」 「こっちに飛ばされる前は蛇口を捻れば水が飲めたのにね」 「まぁ砂丘学園が厚意で水を分けてくれてるんだし、そう文句をいうなって。」 希望崎の生徒達の何気ない会話。 ここ数日の取り留めのない話の中には、現状への不満が混ざることも多かった。 「……その水なんだけど、鳥取の人達水の配給をケチってるって噂があるみたいだよ?」 そっと。事実無根の噂を流す。 無論こんな程度の低い嘘をついた所で本気で信じられるとは思ってない。ただ、少しでも彼らの不満に指向性を持たせることができればいい。すなわち、現状に対する不満を砂丘高校に対する不満へとすり替えるのだ。 「マジでー? 鳥取の奴ら、どうもきな臭いと思ってたんだよなぁ。」 「私たちがこっちに来てから、あっちはしばらく水の配給について揉めてたみたいだもんね。」 「いや、彼らだって生活が掛かってるんだからそれはしょうがないんじゃないかなぁ」 やり場のない負の感情を持て余している時、明確な捌け口を求めるのは至極当然な心理である。特に、現在の様な非常事態であればそういった心理はより一層強く働く。 仲間たちの反応は茜にとっておおよそ想定通りの感触だった。 この調子で少しずつ、少しずつ希望崎学園の生徒の鳥取砂丘高校に対するヘイトを増やしていければ。 ――――希望崎学園VS鳥取砂丘高校のハルマゲドンを引き起こせるかも知れない。 そんな企みを心の内に隠し、人懐っこい笑みを浮かべて会話を続ける。 ……心の何処かで微かな罪悪感が生じ始めていることに気づかないふりをしながら。 ◇◇◇ 希望崎学園が転移してから、茜が真っ先にやろうとしたことは上毛衆の隊長への連絡だった。 上毛歌留多を持っている者同士でのみ会話できる、呪符を媒体とした通信で連絡をとった。 【※ここから先の一連の会話はグンマー独自の言語で話されますが、理解できる人はいないと思われるので日本語に翻訳して書かれています】 『ハルマゲドンだ』 現状を伝えると、隊長はしばらく考えるような間があった後そう呟いた。 「ハルマゲドン、というと希望崎学園でよく行われる魔人闘争ですか?」 『然り。鳥取砂丘高校と希望崎学園を対立させ、ハルマゲドンを引き起こすのだ』 「……しかし希望崎学園に手を出すのはまだ早いと、この間の定例会議で決めたはずでは?」 『それは我々が直接希望崎に侵攻するかどうかの話だ。砂丘高校と希望崎が争えば、我々の手を汚さずして希望崎を潰せるかもしれん。絶好のチャンスだ。』 「でも……!」 『くどい。それとも何だ、貴様が単騎で希望崎を滅ぼしてくれるというのか?』 「それは……」 『不可能だろうな。希望崎を叩くなら機会は物資が足りず弱体化している今しかない。奴らは戦力として非常に危険だ。しかし残念ながら上毛衆から援軍を出すことは出来そうにない。皆それぞれの任務で忙しいし、鳥取の奥地となると遠すぎる。だからこそのハルマゲドンだ。これなら貴様一人でも希望崎を貶められる可能性は高いだろう。』 できれば、共に過ごした仲間を地獄へ落とすような真似はしたくない。 ゆっくりと言葉を選び、隊長の説得に掛かるが……。 「その希望崎の危険性ですが、あくまでグンマーの近隣地域にあったが故に危険視されていたはず。鳥取に飛ばされた今ならば、それほど脅威ではないのでは?」 『確か原因不明の転移なのだろう? もし何かの拍子に関東に戻ってきたらどうする。物資は補給され、希望崎は万全の状態となり、再びグンマーの身近に位置する脅威となるだろう。そうなる前に叩いて置かねばならん。何か文句はあるか?』 「……いえ」 (駄目だ。恐らく、何を言おうが隊長は意見を変えたりしないだろう……) 『これは命令だ。ハルマゲドンを引き起こせ。成功すればそれなりに報酬は弾んでやろう。』 「……かしこまりました」 通信が切れた。 (やるしかないのか……) ――援軍は来ない。潜入している学校でハルマゲドンを起こす。 この作戦には大きなリスクがある。 それは、扇動する本人がハルマゲドンに巻き込まれる可能性だ。直接戦闘に参加しなくても、そもそもの目的である「希望崎の負け」が決定すれば水の供給が断たれ茜は他の生徒と共に野垂れ死ぬ。 隊長は頭は固いが、決して馬鹿ではない。そういった事態も予想済みだろう。 つまり、茜は使い捨ての駒扱いをされたというわけだ。 この任務は希望崎の生徒達にとっても、茜本人にとっても得にならない。 暗鬱な思いを抱きながら、茜は任務に取りかかりはじめた。 ◇◇◇ 水が少しずつ不足していく。 希望崎には水を大量に消費する魔人も居るため、砂丘高校からの配給では足りるはずもなかった。 希望崎学園はもっと水を寄越せと要求し、鳥取砂丘高校は水の消費を抑えろと反発する。 茜が少しずつ煽り立てた功もあって、二校の溝は深まっていく。 それと同時に罪悪感も徐々に茜の精神を蝕んでいく。 敵地だと教えこまれ、潜入した学園の生活は思いの外楽しくて。 機密部の皆は私の正体を知った上で情報を秘匿してくれて。 使命と罪悪感の狭間で揺れつつも、茜は扇動の手を止めることができなかった。 ――――誰かが、きっと誰かが止めてくれる。 そんな甘い願望を縋るように抱いて、任務を遂行していった。 ◇◇◇ 遂に水不足により倒れる人が出てきた。 希望崎、砂丘高校の両方でハルマゲドン開催を望む声が上がり始め、学校内で開戦派と穏健派の派閥が生まれた。 茜は穏健派に所属した。 抑圧が強ければ強いほど人は反発するものである。それを利用して、茜は穏健派として過激派を抑圧することでより過激派の活動を活発にした。 「武力で解決しても何も生みません。平和な解決方法を探しましょう。」 そんな心にも思ってないことを何度口にしただろう。 ……あるいは、本心からの言葉だったかもしれないけど。 過激派の一人はこう語った。 「このままでは二校とも共倒れだ。現状を維持して何になる? 俺は、仲間たちが次々と倒れていくのをただ見ていることなんてできない! 鳥取の人達を犠牲にしてでも自分も仲間たちを守りたいと思うのは、そんなおかしいことだろうか? そして向こうだって同じようなことを考えているはず。もはや衝突は避けられない。ならば、いっそ戦うなら、ゲリラ戦になって泥沼化し始めるという最悪の事態を避ける為にも、明確な勝利条件のあるハルマゲドンを開催するべきだろう!」 彼の考えは少し過激だけど、学園の仲間達を真剣に想う熱意は伝わってきた。 (過激派も穏健派も根本は同じ。皆が皆のことを思って行動している。ただ目的の為に選んだ手段が違うだけだ。それに比べて私は、私は一体何をやっている……?) ここに来て生じ始めた孤独感、疎外感とも言える寂しさ。 仲の良い友だちと話していても、その寂しさが紛れることはなく。 むしろ彼らの笑顔が鈍痛となって心に重く響いてくる。 この寂寥感はきっと罪の意識から生じたもの。 茜の企みの内容からすれば当然ともいえる仕打ちだろう。 計画は成功に近づいているはずなのに、茜は精神的に追い込まれていく。 もうきっと止まらない 今更茜が扇動を止めようが止めまいがいずれにせよ大好きな友人達は命懸けの闘いへと身を投じることになる。 (私は…………わ、たしは…………) 任務と仲間を比べた天秤がぐらり、と揺らいだ瞬間だった。 ◇◇◇ 派閥発生から数日が経ち、水の盗掘未遂事件が発生した。 誰が犯人だったかなど、もはやどうでもよかった。 状況が起こした当然ともいえる帰結であり、例え今回の事件がなかったとしても今後似たような事件は発生していただろう。 ただ一ついえることは、この事件が両校の間に決して埋めることの出来ない亀裂を刻み、事態は急速にハルマゲドン開催へと動き出したということ。 そして。 「番長グループに引き続き、生徒会でもハルマゲドン開催が決議されたぞー!!」 ハルマゲドン勃発。 「マジすか」 「生徒会マジクール」 「今回は生徒会だの番長グループだのって内輪もめじゃねぇ、俺達希望崎が全員一丸になって砂丘高校をぶっ飛ばすんだ。テンション上がってきたぜ―!」 「鳥取の地平線に勝利を刻むのです!」 「気合!いれて!いきます!」 開戦の知らせに盛り上がる希望崎の生徒たち。 喧騒に包まれる中、茜は一人悪寒に震えていた。 「――――あぁ、遂に。」 これで、上毛茜は使命を果たした。 希望崎学園と鳥取砂丘高校は潰し合い、どちらか一方あるいは両方が潰える。 「……ぅ。」 突然、胃のあたりから何かがせり上がってくる気配を感じて、茜はトイレに駆け込んだ。 「……っ。…………っ!……はぁ……はぁ……」 胃の中身をほとんど吐き出した。 口から胃液を垂らすほど吐き出しても、足りないと言わんばかりに身体はえずく。 突如発生した身体の異常に、しかし茜はなんとなく原因を理解していた。 (多分精神的なもの……。自責の念に駆られて、とかそんな感じかな) 胸が痛い。 ハルマゲドンは遊びじゃない。人が死ぬ。 下手すれば戦闘に参加する全員が死ぬかもしれない。たとえ勝てたとしても、無傷の完全勝利とは行かないだろう。 茜は涙で瞳を滲ませながら嘆く。 (私のせいだ……。全部……全部……吐き出して消えてなくなってしまえ。使命も。上毛衆という肩書きも。) そこで、ふと気づく。 (……あぁ、そうだ。消そう。今の私にいらないもの、全て。) 立ち上がって、個室からでる。 颯爽と歩き出した茜の目には固い決意が宿っていた。 ◇◇◇ 上毛衆の隊長との呪符による通信を試みる。 なかなか相手が応じない。苛立ちが募る。 だが、この通信を使うのも最後となるはずだ、と思うことで焦りを抑える。 【※ここから先の一連の会話はグンマー独自の言語で話され(以下略】 『茜か。どうした』 繋がった。 すぅ、と息を吐き出し呼吸を整える。 「……命令通り希望崎学園VS砂丘高校のハルマゲドンを引き起こすことに成功致しました」 『そうか、大儀だ。ハルマゲドン本戦の際に参戦メンバーに選ばれないよう、しばらくは目立たぬ様に行動するといい。貴様も命は惜しいだろう。』 友達を死地に向かわせておいて、自分は安穏とした立ち位置にいられるか? ――そんなもの、答えは決まっている。 「いえ。私は参戦メンバーに立候補しようと思います」 『……何?』 「そして今この時をもって、私は上毛衆を脱退しようと思います。今までありがとうございました。」 『!? 貴様、自分が言ったことの意味がわかってるのか!』 「許可無く脱退する者はかつての同胞の手によって“消される”のでしたよね? ええ、結構です。やれるものならやってみて下さい。確か、せっかく希望崎を潰すチャンスなのに援軍を出すことすら出来ないほど皆多忙なのでしょう?裏切り者一人殺す為に人材を派遣できるほど余裕があるんですかね……?」 『…………。何故だ? さっきから訳が分からない。何が貴様をそうも駆り立てる?』 「やりたいことがあるんです。上毛衆にいたら、恐らくそれは成し得ることが出来ない。」 『やりたいこと、だと?』 「希望崎の仲間たちの役に立ちたい。ただ、それだけのこと。彼らの為になら命を投げ打つことだって惜しくもありません。」 『その仲間たちを死地に追いやったお前が、か? なかなか滑稽なことを言うじゃないか』 「ええ。だから、その罪滅ぼしをしたい。簡単に償えるような軽い罪ではありませんが、上毛衆の名を捨てて、希望崎の生徒としてハルマゲドンに参戦することで少しでも罪を償いたいのです。」 『……ハルマゲドンが終わる頃には余裕もできるだろう。なにやら偽善に酔っているようだが、それも本戦終了までだ。生き残っているならお前の命を、死んだなら上毛歌留多の回収に隊員を回すつもりだ。貴様はいずれにせよ死ぬ定めとなる。』 「そうですか。ハルマゲドンでの生存率は低い。そして上毛衆の追手も返り討ちにできる自信はない。ですが私もむざむざとやられる訳にはいきません。生き残っていたならば自分で、死んでしまったなら仲間に託し、私の持っている上毛歌留多をこの鳥取の広大な砂漠に廃棄します。以後、見つかることはないでしょう。これで“上毛茜”の座は永久に失われます。……ざまあみやがれ。」 『貴様ぁーッ!!!』 通信を切る。 晴れ晴れとした気分だ。 皆が集まる場所に戻ると、既に作戦会議や参戦メンバーの募集が始まっていた。 「あの、私参戦しようと思います!皆の為に頑張りたいんです」 嘘偽りではない、本心からの言葉。 仲の良い友人の数人は心配するような顔でこっちを見てきた。 私はそれにはにかんで手を振る。 ――こんな私にも、心配してくれる人がいる。 ――優しい人達。 ――彼らの為に報いよう。死に物狂いで戦おう。それが、私に出来る唯一の罪滅ぼしだと思うから。 【END】
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920 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 11 32 19 ID M81XTKnv 寿司屋「龍」 龍子「いらっしゃい!何にします?」 市ヶ谷「サンマ炙寿司ですわ!」 辻「ボク、かっぱ巻!」 理沙子「社長は何にします?ア~ンしてあげますよ」 フレイア「(理沙子のババァ・・・)あら社長、私なら口移しで食べさせて差し上げますわよ。」 $貧「ガリで・・・」 ゆっこ「カレー巻!とりあえず100巻まいてね!」 921 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 23 24 30 ID WwMCWeke 920 どうせなら元ネタの人にかけて店の名前は寿司処よし田の方がよくないか? 922 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 23 54 10 ID DoXUkvnU 龍子といえばラーメンだった記憶があるけど、寿司ネタもおもろいなw 923 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/11/05(日) 01 30 00 ID /zUZ9LKy ラーメン「よし田」 龍子「いらっしゃい!何にします?」 市ヶ谷「サンマダシラーメン大盛ですわよ!」 辻「ボク、チャーシュー・・・」 市ヶ谷「このジャリガールは『よいこのお子様ラーメン』でいいですわよ。」 理沙子「社長は何にします?私がフゥ~フゥ~してあげますよ」 フレイア「(理沙子のババァ・・・)あら社長、私なら耳元でもフゥ~フゥ~して食べさせて差し上げますわよ。」 $貧「ナルトで・・・」 ゆっこ「カレーラーメン!メン抜きね!」 924 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/11/05(日) 02 27 56 ID NWPfn5Wm 923 異議あり $貧は半ライスのみだろ ゆっこはカレーラーメン、麺5玉。さらに替え玉付きと見た 当然ライス特盛、お代わり付き 928 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/11/05(日) 12 33 21 ID kRYANRq6 ゆっこは今ダイエット中だからって言って 半ライス大盛り→お櫃の半分が出てくるのパターンだとおも